キヌヒカリ




名前の由来
炊きあがりのご飯の入りが白く、絹のようにつややかな米肌を表して命名されました。
誕生エピソード
北陸生まれのキヌヒカリの研究は、1975年から始まりました。当時北陸で栽培されていたお米は倒伏しやすかったことから、耐倒伏性が強い品種が求められていました。キヌヒカリの系統は複雑で、母は「収2800」と「北陸100号」間から生まれた子で、父は「北陸96号」の交配によって誕生しました。キヌヒカリは、背丈が低いため倒伏性が強く、食味もコシヒカリと同等の品種として人気を集め、関東以南のデビュー以降は、関西での作付面積が拡大しました。
おいしさの特徴
米粒の輝きの素晴らしさと、食味の良さが特徴です。コシヒカリほどの粘りはなくソフトな粘りであるため、コシヒカリよりさっぱりとした口当たりです。炊きあがりの輝きとぱらっとした口当たりが、関東以南のお寿司屋さんに人気を集めています。コシヒカリでは味が強すぎたり、粘りが強すぎると感じておられる高齢者の方からも根強い人気を集めています。
評価項目 | 項目の意味 |
---|---|
におい | 甘い香りがするか、ぬか臭くないか |
見た目 | 照り、粒の大きさ、割れの有無 |
奥歯で感じる引っ付き具合 | |
硬さ | 自分基準から硬いか柔らかいか適度な |
うま味 | 一口目で感じる旨み |
甘み | 噛み続けて耳下腺で感じる甘み |
食感 | 上あごで感じる気持ちよさ |
のどごし | 飲み込んだ後に感じる戻り |
五ツ星お米マイスターとは
お米マイスターとは、お米に関する幅広い知識を持ち、お米の特性を見極め、その良さを消費者に伝えることができる方です。
「三ツ星お米マイスター」と、さらに上級資格の「五ツ星お米マイスター」があり、日本米穀小売商業組合連合会が認定しています。
小池理雄さんのプロフィール
1971年、原宿生まれ。神宮前・原宿に戦前から店を構える、原宿で唯一の米屋の三代目店主。「お米マイスター」のなかで数少ない「五ツ星」の保有者。全国でも珍しく、親子二代で「五ツ星お米マイスター」を保持しており、「自信をもって安全で美味しいお米をお勧めしている(小池氏)」。安いお米ではなく、価値を付けて販売することが米屋の責務であるという考えのもと、生産地と消費地の懸け橋となるべく日々奮闘中。「お米の新しいあり方」を常に模索し続けている。
「楽しくなければお米ではない!」をモットーに、お米の魅力を伝えるべくイベント開催やワークショップ、講演を精力的にこなす。テレビやラジオ、新聞、雑誌、ムック本、業界紙やネット等のメディア出演多数。共著「ごはん検定公式テキスト」(実業之日本社)。
小池精米店のHP
http://www.komeya.biz/
五ツ星お米マイスター小池理雄氏のコメント
香りは米の中から滲み出ているような、じんわりとくるにおい。粒はやや小ぶりで、照りも申し分ない。粒はもっちりしているが、表面にはそれほど粘りはなく、ぱらぱらほどける。噛むと粒がぷつっと潔く切れる。甘さはさわやかで、噛み続けると食感がみずみずしく感じることができる。粒がすぐに口の中で消えるが、まるで米粒の中身を液体にして体に摂取しているようだ。