ゆめぴりか




名前の由来
ほど良い粘りと甘み、炊きあがりの美しさという優れた品質から、「日本一おいしい米を」という北海道民の「夢」に、アイヌ語で美しいを意味する「ピリカ」を合わせて名づけられました。この名前は、北海道内の一般公募で寄せられた3,422通の中から選ばれました。日本を代表するお米にしようという、北海道民みんなの想いが込められています。
誕生エピソード
北海道上川農業試験場で品種開発のために毎年交配し、試験場に約15万体が植えられました。その後、約10年の間、「食味」「収量」「耐冷性」などの観点から、優れたものを選抜してゆき、最終的に約150万の中から「ゆめぴりか」が誕生しました。 実は、「ゆめぴりか」は開発から4年目の試験で、「収量」の面で不合格になってしまいましたが、「食味」が圧倒的に優れていたため、研究員は諦めきれませんでした。そんな中、特A米の品種開発の要請があったため、再試験を行うと、問題なく合格し、晴れて、「ゆめぴりか」が誕生しました。
おいしさの特徴
低いほど粘りがあるとされているアミロースが低く、低いほど柔らかいとされるタンパク質も比較的低くいため、ほど良い粘りと柔らかさがあり、炊きあがりもツヤがあり、美しいのが特徴です。 「ゆめぴりか」は低アミロースの性質(低いほど粘り強い)を持つ「北海287号」という母と、食味と収量性ともに優れた性質を持つ「ほしたろう」という父の間に生まれました。親の良いところ、そして開発者の想いをしっかりと受け継いで、「ゆめぴりか」は、とびきり味がよく、収量性の高いお米に育ったのです。 いわずと知れた良食味米「コシヒカリ」、それを改良した「あきたこまち」。日本有数の米を祖先に持ち、そこに北海道を代表する「おぼろづき」の遺伝子を導入するなど、「おいしさ」を武器にする数多くの品種を掛け合わされた結果、「ゆめぴりか」は、圧倒的なおいしさを持って生まれました。
おいしさはもちろん、厳しい品質基準をくぐり抜けたお米であることや、試行錯誤を繰り返しながら最高峰のお米が生まれてきたストーリーがANAの企業コンセプトにふさわしいと評価され、ANAの国際線ファーストクラスの機内食として採用されています。(2012年10月現在)
粒が厚いという特徴が、高い収量性につながっていることから、北海道米の将来を担うエースとして、期待されています。
評価項目 | 項目の意味 |
---|---|
におい | 甘い香りがするか、ぬか臭くないか |
見た目 | 照り、粒の大きさ、割れの有無 |
奥歯で感じる引っ付き具合 | |
硬さ | 自分基準から硬いか柔らかいか適度な |
うま味 | 一口目で感じる旨み |
甘み | 噛み続けて耳下腺で感じる甘み |
食感 | 上あごで感じる気持ちよさ |
のどごし | 飲み込んだ後に感じる戻り |
五ツ星お米マイスターとは
お米マイスターとは、お米に関する幅広い知識を持ち、お米の特性を見極め、その良さを消費者に伝えることができる方です。
「三ツ星お米マイスター」と、さらに上級資格の「五ツ星お米マイスター」があり、日本米穀小売商業組合連合会が認定しています。
小池理雄さんのプロフィール
1971年、原宿生まれ。神宮前・原宿に戦前から店を構える、原宿で唯一の米屋の三代目店主。「お米マイスター」のなかで数少ない「五ツ星」の保有者。全国でも珍しく、親子二代で「五ツ星お米マイスター」を保持しており、「自信をもって安全で美味しいお米をお勧めしている(小池氏)」。安いお米ではなく、価値を付けて販売することが米屋の責務であるという考えのもと、生産地と消費地の懸け橋となるべく日々奮闘中。「お米の新しいあり方」を常に模索し続けている。
「楽しくなければお米ではない!」をモットーに、お米の魅力を伝えるべくイベント開催やワークショップ、講演を精力的にこなす。テレビやラジオ、新聞、雑誌、ムック本、業界紙やネット等のメディア出演多数。共著「ごはん検定公式テキスト」(実業之日本社)。
小池精米店のHP
http://www.komeya.biz/
五ツ星お米マイスター小池理雄氏のコメント
見た目は大きく、照りも張りも申し分ない。口に入れると塊がほぐれて、粒が弾ける。粒がぷりっとしている。粘りはしっかり奥歯にとどまり、硬さは粘りの中に張りを感じる程度。粒がはじけて中から出てくる甘みを存分に味わうことができる。おねばはしっかりともっちり感として分かる。飲み込んだ後でも、のどの奥から甘みが戻ってくる。