JAプチ問答シリーズ
※朝日新聞に掲載された新聞シリーズ広告(2012年4月~2014年3月)

JAの取り組み紹介

【プチ問答Q31】
水田が、お米以外に作っている美しいもの。
なんでしょう。

景観

農業経営を支え、美しい農村景観を守る 農業の持つ景観保全機能
愛媛県宇和島市遊子地区の段畑(2011年7月15日付新聞広告)

のどかな水田が広がる何気ない農村風景も、そこで農業が営まれているからこそ、美しい景観が維持されています。農業が営まれることによる景観形成は、農地の貯水機能による洪水防止などとともに、農業の多面的機能の1つです。日本学術会議の試算(2001年)では、都市部に住む人が休養や安らぎを求めて農村地域へ旅行した場合、その評価額は年間2兆3,758億円にもなります。

JAでは、地域の農業を支えることで景観維持に取り組んでいるほか、普段は農業に接点のない都市に住む人たちにも農業体験などを通じて、農業や農村景観について理解を深めてもらう活動にも力を入れています。

国でも、農村景観を紹介するさまざまな取り組みを展開しています。農林水産省は「美の里づくりコンクール」「美しい日本のむら景観コンテスト」「美しい日本のむら景観百選」などにより農村景観の魅力を伝えています。文化庁も「重要文化的景観」として35件を選定。このうち23件が水田や畑地での農業に関する景観です。

海に面した急斜面に段々畑が連なる素晴らしい眺望が広がる、愛媛県宇和島市遊子地区にある段畑。先述の「美しい日本のむら景観百選」「重要文化的景観」にも選ばれています。明治時代には畑の数にして8900枚、総計の面積で約30haもの段畑があったといわれていますが、農業よりも養殖業が盛んになるなどの環境変化により、段畑が2haまで減少。危機感を持った地元有志は2000年、段畑の保全と再生に動き出しました。

段畑を維持するには、この段畑で一定の収益を上げられなければなりません。段畑は1枚の幅が1mほどしかなく、決して恵まれた栽培環境ではありません。そのかぎを握るのは、4月に出荷できる「早掘りジャガイモ」。出始めは高値で取引できるものの、他産地が出回り始めると価格が大きく下落してしまうことが課題でした。

ここでサポートに乗り出したのが、地元のJAえひめ南。この美しい段畑で生産したことを売りものに付加価値販売することや早期の売り切りにめどを付け、JAは市場価格を上回る価格でジャガイモを全量買い取ることで、段畑での農業を支援。この結果、安心して生産活動ができるようになり、栽培面積も広がり始めました。

蘇った段畑の景観が観光資源として注目され、多く人が訪れるようになりました。地元食材を食べられる料理店を開設したり、加工品を開発したりするなど、新たな取り組みも始まり、農村景観の保全をきっかけとして、地域の活性化にも結びついています。

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