テーマ解説

1. 国産DAY はじまる!

「国産DAY」 それは、国産の食材を積極的に選んで食べる新しい食習慣。日本の「食」を愛し、農業の未来を想う人たちの間で、ひろがりはじめています。でも、なぜ国産にこだわるのでしょう。みんなで一緒に考えてみませんか。
いま日本は、食料の多くを外国からの輸入に頼っています。

その大きな理由は、日本の生産者の数が減っているから。
しかも、生産者たちの間では高齢化が進み、生産性を高めにくい状況になっています。

では、なぜ輸入に頼りすぎるといけないのでしょう。

それは、輸入が多いと食料自給率の低下をまねくとともに、世界情勢の変化や為替相場の影響を受けやすくなってしまうから。ある程度は国内生産でまかなえるようにしておかないと、万一輸入がストップした時、食料を供給できない状況になったり、輸入できたとしても高値で取引せざるを得なくなってしまうのです。コロナ禍でのマスク不足は記憶に新しいところですが、それもやはりマスクの供給を輸入に頼りすぎていたことが大きな原因のひとつ。

お米や野菜などの食べ物が不足した場合は、さらに解消が難しいと考えられます。

しかも近年は、世界中で自然災害が多発しています。そうした災害が日本の食料輸入先の国で発生し、農畜産物の生産が大幅に減少したら、日本への輸出が規制される等、私たちの食生活に大きな影響を及ぼしかねません。
さらに農業は、食料を生産するだけでなく、川の洪水や土砂崩れの防止、気温上昇の抑制、生き物たちへのすみかの提供など、私たちの生活に多くの恩恵をもたらしています。その大切な役割を、生産者はがんばって守ってくれているのです。

農業は、食料の生産以外に「農業の多面的機能」という重要な役割も果たしています。山などの斜面に畑や水田があることで、土砂崩れや川の洪水を防いだり、雨水がゆっくり浸透して地下水を作ったり、周辺市街地の気温上昇を抑えているんです。さらに、多くの生き物のすみかになり、美しい景観を生み出してくれています。
※農林水産省 農業・農村の多面的機能より

その生産者たちを応援し、この国の農業を守っていくためには、『国消国産』という考え方を広めていくことが大事です。

国消国産こくしょうこくさんとは「国民が必要とし消費する食料は、できるだけその国で生産する」ことを意味しています。この『国消国産こくしょうこくさん』の意識を根づかせていくためにJAグループが提案したい新習慣。それが、「国産DAY」なのです。

おいしくて栄養豊富な旬の国産の食材で、自分の健康をケアしながら日本の農業も元気づけていく。そうした毎日をだれもが気軽にはじめ、楽しく続けられるように、という願いから生まれた「国産DAY」という食習慣。
お休みの人が多い日曜日(SUNDAY)は家族といっしょに、ゆっくり買いものを楽しめる方も多いのではないでしょうか。あなたも次の休日から、国産の食材を選んで食べる毎日をはじめませんか。

その「おいしい!」の笑顔が、日本の農業の未来を明るく照らしはじめます。 その「おいしい!」の笑顔が、日本の農業の未来を明るく照らしはじめます。

日本のおいしさで食料自給率アップ!

ひとかじりメモ

農業の担い手不足だけではない、日本の食料自給率低下の原因。それは、日本人の食の欧米化です。たとえば主食である米の消費は年々減っていく一方、肉や小麦などの需要は増え続けています。つまり、昔から国内で生産されてきたものが食べられなくなり、新しく海外から輸入したものばかりを好んで食べるようになっているのです。
お米を中心にたくさんの野菜を使った日本食をおいしく味わうこと、つまり「和食」文化を守ることから、食料自給率アップに貢献してみませんか。