テーマ解説

2. アゲていこう!食料自給率

「食料自給率」という言葉をご存知ですか。それは、国内で消費される食物のうち、国内生産でまかなえる割合を示す数値のこと。いま、日本の食料自給率はどうなっているのか。

食料自給率について、みんなで探ってみましょう。

摂取するカロリー数で計算すると、日本の食料自給率は約38%で、残りの62%は外国からの輸入に頼っています。これは先進国の中でも最低水準と言われています。その数値は年々低下していて、この約60年の間に半分近くまで落ちこんでしまっているのです。

それでは、日本の食料自給率について、もう少し細かく品目別にみていきましょう。 それでは、日本の食料自給率について、もう少し細かく品目別にみていきましょう。

日本人が昔から口にしてきた品目は、米98%・野菜79%・魚介類57%と比較的高い自給率を保っていますが、その反面、食の多様化とともに近年消費量が増えている品目は、牛肉38%・豚肉49%・小麦17%・大豆6%・油脂類13%と低い数字を示しています。

では、食料自給率が低いと何が問題なのでしょう。

それは、「食料なら外国から安く、いくらでも輸入できる」という安心が、この先もずっと続くとは限らない、ということ。

この数年、新型コロナウイルスの感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻など世界情勢の変化の中で実感したように、自然災害の多発などで輸入先である生産国の食料生産が大幅に減少し、食料の輸出量規制をかけなければならない状況に陥ったとしたら、どうなるでしょうか。農畜産物の国際的な価格上昇は避けられず、その影響を大きく受けるのは、輸入に頼っている日本のような食料自給率の低い国なのです。

生きるために欠かせない食料は、日本で作ったほうが安心ですが、お米や野菜などの食べ物は不足したからといってすぐに作れるわけではありません。 生きるために欠かせない食料は、日本で作ったほうが安心ですが、お米や野菜などの食べ物は不足したからといってすぐに作れるわけではありません。

いま、世界の人口は開発途上国を中心に、2050年には97億人と大幅な増加が予測されており、世界的にも自国民の食料を確保するため、輸出規制を行う国が増えるなど深刻な食料不足が心配されています。
これからも日本で安全・安心な「食」生活を送るためにも、食料自給率の向上は喫緊の課題といえるでしょう。

そんな日本の「食」をとりまくリスクに備えて、JAグループでは「国」民が必要とし「消」費する食料は、できるだけその「国」で生「産」する、『国消国産』という考え方を提唱しています。 そんな日本の「食」をとりまくリスクに備えて、JAグループでは「国」民が必要とし「消」費する食料は、できるだけその「国」で生「産」する、『国消国産』という考え方を提唱しています。

できるだけ国産の食材を手にとり、食べることが、私たちにできる『国消国産こくしょうこくさん』の実践であり、国産食材を選ぶという身近な行動が生産者を励まし、日本の農業に活力を与え、農業を志す次の世代の背中を後押すことになります。

そして、なにより食料自給率の向上など、私たちが生きていくうえで一番大切な「食」の安心につながっていくのです。

『国消国産』で日本の生産者を応援し、みなさんにできる食料安全保障をすすめていきましょう。

日本の食料自給率を上げるために、私たちに何ができるでしょう。その答えが、「国産DAY」という食習慣。やることは簡単です。大切なのは、みんながはじめること。そして、ずっと続けること。

  • 1.できるだけ旬の食材を選ぶ。
  • 2.地元の産物を食卓にとり入れる。
  • 3.ごはんを中心に野菜をたっぷり使った食事を心がける。

おいしくてカラダにもよい旬の国産食材を味わうだけで、日本の食料自給率アップに貢献できる「国産DAY」。次の日曜日はどんなおいしさを楽しみながら、食のみらいを支えましょうか。

何が違うの?
国消国産こくしょうこくさん』と『地産地消』

ひとかじりメモ

国消国産こくしょうこくさん』と聞いて、『地産地消』を思い浮かべた人もいるのではないでしょうか。よく似た言葉ですが、どこが違うのでしょう。「国」民が「消」費する食料はできるだけ「国」内で生「産」するという考え方が『国消国産こくしょうこくさん』であるのに対し、「地」域で「生」産された食材をその「地」域内で「消」費するのが『地産地消』です。つまり、『国消国産こくしょうこくさん』を地域レベルで実践するのが『地産地消』。ここでは日本全体の「食」と「農」について考える場ですので、『国消国産こくしょうこくさん』を中心にお話しています。