テーマ解説

3. 育てた人の想いを買おう!

いま国際情勢の悪化などにより、原油をはじめとするさまざまな物資が値上がりを続けています。農業生産に欠かせない肥料、家畜のえさ、燃料などのコスト問題に頭を抱えて、農業を続けたくても続けられないという生産者も少なくありません。そんな中、私たちにできることはないのでしょうか。

まず、生産者の実態を知ることからはじめてみましょう。 まず、生産者の実態を知ることからはじめてみましょう。

「コストが上がっているなら、販売価格も上げればいい」と思う人もいるかも知れません。でも、農畜産物の価格は需要と供給のバランスによって決められるため、生産者が自分で好きな価格をつけることはできないのです。実際、かつてないほど農畜産物の生産コストは上がっているのに、農畜産物の値段はあまり上がっていません。それは、毎日食べるものはなるべく安くという消費者のみなさんの思いに、生産者が必死に応えようと努力してきたからです。

ただ、生産資材の高騰と上がらない価格の板挟みの中では、農業を続けられる人はさらに減ってしまい、さらに農畜産物の価格が上がってしまうという負のスパイラルを招きかねない状況にあります。 ただ、生産資材の高騰と上がらない価格の板挟みの中では、農業を続けられる人はさらに減ってしまい、さらに農畜産物の価格が上がってしまうという負のスパイラルを招きかねない状況にあります。

私たちにできることは、まず、がんばっている生産者の現状を理解すること。そして、生産者に安全・安心でおいしいものを作り続けてもらうために、国産の農畜産物を選び、食べることではないでしょうか。

国産のものを選び、おいしく食べるだけでも、生産者への立派な応援になります。 国産のものを選び、おいしく食べるだけでも、生産者への立派な応援になります。

生産者は、みなさんの食卓においしいものを届けたい想いで環境への配慮など高い品質を保つため、日夜を努力しています。

そんな生産者の想いに応えるべく、できるだけ国産の農畜産物を選び、食べるという身近な行動が、作る人と買う人のお互いの想いをつなげ、私たちの豊かな「食」と日本の農業の未来を支えることにつながります。

国産の食材を噛みしめながら、育てた人の想いも味わう。その関係づくりも「国産DAY」の楽しさのひとつ。次の日曜日はたくさんの農畜産物を選び、多くの生産者の想いにふれてみませんか。 国産の食材を噛みしめながら、育てた人の想いも味わう。その関係づくりも「国産DAY」の楽しさのひとつ。次の日曜日はたくさんの農畜産物を選び、多くの生産者の想いにふれてみませんか。

「食べる」を「選ぶ」という発想

ひとかじりメモ

お店で食べものを買うとき、あなたは産地や生産者のことを意識して選びますか。農林水産省の調査では、69.8%の人が「いつも選んでいる」もしくは「時々選んでいる」と回答。地元や被災地など応援したい地域や生産者を思いながら買いものを楽しんでいるようです。
また同じ調査において、日頃から環境に配慮した食べものを「選んでいる」と回答した人は61.7%。そのうち、環境に配慮した食材として「国産のもの」を選んでいる人は81.5%。この数字、みらいに向けてもっと高めていけたらいいですね。
※農林水産省「食育に関する意識調査報告書」(2023年3月)