テーマ解説

6. 買う人が育てる品質!

毎月の食費のやりくり、近頃大変になってきていませんか。はたして、どこの国でもそうなのでしょうか。じつは旅行や仕事などで来日した外国の人たちが日本で食事をすると、何年も時が止まったような食費の安さにビックリするそうです。

そんな低い価格のままで、日本の生産者たちは大丈夫なのでしょうか。 そんな低い価格のままで、日本の生産者たちは大丈夫なのでしょうか。

多くの食料品が値上がりしている中、国産の生鮮品の価格はずっと据え置かれてきました。一方で、生産や流通に関わるコストは、燃料費をはじめ輸送費、資材費などあらゆるものが高騰しています。その厳しいコスト環境にあっても、生産者は品質への強いこだわりを持って、みなさんに安全・安心でおいしい農畜産物を手ごろな価格で食卓に届けようと努力を続けてきたのです。

このように、さまざまなものが値上がりする中で、国産の野菜やお肉など生鮮食品の価格はあまり上がっていない状況にあります。そのため、生産資材の高騰と上がらない農畜産物の価格との板挟みで、このままでは農業を続けたくても続けられないと悩む生産者も少なくないのです。

そこで、みなさんの食卓を守るために頑張ってきた生産者を応援し、これからも持続可能な農業経営ができるよう、高騰し続ける生産コストに見合った適正価格を認めていただけないでしょうか。

生産者はいま、苦しい状況にありながらも、JAグループと一体となって、付加価値の高い農畜産物の生産や、ドローン・ITの活用など生産コストを抑えた先進的な農業を進めています。 生産者はいま、苦しい状況にありながらも、JAグループと一体となって、付加価値の高い農畜産物の生産や、ドローン・ITの活用など生産コストを抑えた先進的な農業を進めています。

生産者の想いのつまった、おいしい国産食材をこれからも食べられる日本であるために、多少価格が上がっても、品質にこだわりぬいた国産の農畜産物を選び、食べて、生産者を応援すること、それがみなさんの身近にできる食料安全保障といえるのかもしれません。

大切な「食」と農業を子どもたちの未来につなぐため、国産の農畜産物をもっと食べて、どうか日本の農業を応援してください。

国産食材を味わいながら、生産者の想いを身近に感じる国産DAY。次の日曜日も、おいしいこだわりにふれながら、健康で豊かな1週間をはじめましょう。 国産食材を味わいながら、生産者の想いを身近に感じる国産DAY。次の日曜日も、おいしいこだわりにふれながら、健康で豊かな1週間をはじめましょう。

世界一「食に恵まれた国」へ

ひとかじりメモ

「食に恵まれている」というのは、どのような国を指すのでしょう。英誌エコノミスト・グループによる「世界の食料安全保障ランキング」では、食料の「値ごろ感」「入手のしやすさ」「品質・安全性」「持続性・適応」の4分野・68項目について各国の食事情を採点し、ランク付けをしています。世界113カ国を対象とした2022年の調査では、上からフィンランド、アイルランド、ノルウェーと5位までを欧州勢が独占。日本も6位と善戦しています。日本については自給率に関する採点項目がなかったことも有利に働いたと思われますが、事実「食料価格の安定」や「革新的技術への取り組み」「農業インフラの整備」などへの評価は高かったようです。つまり、多くは生産者たちの努力のおかげ。もっとみんなで力を合わせて、本当に「豊かな食に恵まれた国」を築いていきたいものですね。
※エコノミスト・インパクト「世界食料安全保障指数(Global Food Security Index)」(2022年9月)