テーマ解説

9. もっと広がれ!国消国産!

国産DAYとは「国産の食材を選んで食べる新習慣」のこと。国産の食材を選ぶのは「国消国産」を広げるためで、この国消国産とは「私たちの国で消費する食べ物は、できるだけこの国で生産する」というJAグループが提唱する考え方です。

ではなぜ、「国消国産」の考え方が重要なのでしょう。 ではなぜ、「国消国産」の考え方が重要なのでしょう。

それは、日本の食と農を取り巻く5つのリスクに関係しています。
5つのリスク、1つ目は「食料自給率の低迷」です。日本の食料自給率は先進国の中でも最低水準。カロリーベースで約38%、約6割を輸入に頼っている現状です。

2つ目は「農業生産基盤の弱体化」。高齢化によって生産者である農家が減少し、それに伴い耕作放棄地も増加し、農業生産基盤の弱体化が進んでいます。

3つ目は「自然災害の多発」。異常気象などの自然災害が世界中の農業に甚大な被害を与えており、食料生産力の低下を招いています。
4つ目は「世界的な人口増加」。農畜産物の消費量の増加に伴い、将来は地球規模で食糧不足になると予想されています。

そして5つ目、「国際化の進展」。歓迎すべきことのようにも聞こえますが、外国産農畜産物の輸入の増加によって、食料自給率の低下を引き起こしているのです。

この5大リスクの他にも、農作物の肥料、家畜の餌料、そして燃料など生産資材の価格高騰など、この国の農業が抱える問題は多大です。それでも生産者はできるだけ農畜産物を安価で提供できるよう努力を続けていますが、なかなか採算が取れず、農業を続けられない生産者の増加に歯止めが利かない現状です。
しかし、こうした厳しい状況だからこそ、「国消国産」の意識を強く根づかせていくことが大切です。

いま私たち1人1人にできることは何でしょう。 いま私たち1人1人にできることは何でしょう。

まず、国産の米、お肉、牛乳、果物、野菜、お茶、お花など「国産農畜産物」を食べて飲んで飾って応援すること。
さらに、できるだけ旬の時期に、いまある地元の食材をバランスよく食べる。食材本来の美味しさもわかり、いろいろな栄養も摂れ、その上、「国消国産」の実践にもなるのです。
そして、もう1つ大事なこと。それは、農畜産物の適正な価格を考え、生産者を応援すること。いま生産者は苦境に立たされています。農畜産物を生産するには多くの時間と手間がかかり、すぐには作れません。だからこそ、生産資材や物流コストなどを踏まえた適正な価格をみんなで考え、生産者を応援することが必要です。

「国消国産」の実践につながり、私たちの食の未来を守る新習慣。それが、国産DAY! 「国消国産」の実践につながり、私たちの食の未来を守る新習慣。それが、国産DAY!

次のお休みの日から、みんなでおいしく気軽に楽しんでみませんか。 次のお休みの日から、みんなでおいしく気軽に楽しんでみませんか。

おさらい!地産地消と国消国産の関係

ひとかじりメモ

近ごろよく耳にする「地産地消」という言葉。「国消国産」と聞いて、この言葉を思い浮かべた人も多いのではないでしょうか。「地産地消」は「その地域で生産された農畜産物をその地域で消費する」という考え方。一方、上記本文中にもある通り、「国消国産」は「私たちの国で消費する食べ物は、できるだけこの国で生産する」というJAグループが提唱する考え方。つまり、全国各地の「地産地消」がつながりあって、大きな「国消国産」を実現するという関係にあります。おいしくて健康にもいい旬の国産食材を楽しみながら、日本の食と農の未来を明るく輝かせるという発想は、どちらも同じです。