「おいしかった」の声が、つくる喜びになる。

地場の生産者と消費者を直接結んで、地域の農業を元気に。
~「はたけんぼ」(福島県)にみるJAファーマーズマーケットの取り組み~

JAファーマーズマーケット「はたけんぼ」

全国に広がる農産物直売所。
その土地土地の特産を求めてドライブの折に立ち寄ったり、最近では都市近郊などの生活圏内にも見られるようになりました。
なかでも、JAグループは、JAが設置や運営を行う直売所を「JAファーマーズマーケット」と呼び、地産地消をすすめる拠点としています。

「運営から流通の仕組みが、スーパーとはまったく違います。」そうおっしゃるのは、福島県JAすかがわ岩瀬ファーマーズマーケット「はたけんぼ」の佐藤店長。
「『はたけんぼ』の朝の光景がその違いを象徴しています。
普通のスーパーマーケットでは商品の納品は長距離トラックですが、ここでは軽トラックが主役。
生産者自身で運転をして農産物を運んでくる。穫ったばかりの新鮮な野菜たちを袋詰めにし、自分達で値づけから商品陳列までするんです。
通常のスーパーで売っている農産物であれば、生産者はJAなどに『出荷』をして、卸売市場や直接スーパーに送られ店頭にならぶ。ファーマーズマーケットの農産物が新鮮で、なおかつ安価なのは、こうした中間プロセスを省いているからなんです。」
佐藤店長はこう説明してくれましたが、生産者と消費者の距離を縮めることの意味は、それだけではないようです。

生産者が商品納入口に列をつくる。「はたけんぼ」の朝の一コマ。

JAファーマーズマーケット「はたけんぼ」佐藤貞和 店長

「お日さまの上る前から畑に出て収穫をし、農産物を整え袋詰めし、そしてラベルを貼る。
そこまで自分達でやって、はじめて「はたけんぼ」に商品を並べることができます。
納入前の時間、本当に朝早くから、生産者の皆さんは集まってきますよ。
作付けの話など話題は尽きないみたいで、和気あいあいと話しながら納入口が開くのを待っています。」と佐藤店長は話します。

「納入口が開くと、陳列棚へ向かって一目散。陳列する棚は早いもの勝ちなんですよ。
店内には、お客さんが入口から入店して、ひと通り商品を見て回って、レジに進むまでの一定のルートができるものです。
生産者の方は、こうしたことをよく観察して、自分の手塩にかけた農産物を、より手に取ってもらえる場所を目指すんです。
どこに置いて、どうならべたら手に取ってもらえるのか、朝の商品の陳列は生産者の真剣勝負なんですよ。」

生産者のやる気を高める、食べ手の笑顔。

地域の生産者と消費者が直接触れあうJAファーマーズマーケット「はたけんぼ」。食べ手の反応が伝わりやすいから、作り手の姿勢にも大きな変化が現れるようです。
「値段の設定もさることながら、一袋当たりの量の違いだけでも売れ行きには差が出てきます。
それに加えて、生産者だからこそ知っているおいしい食べ方やレシピの提案まで、生産者は自分の育てた農産物をより多くの方に食べてもらえるように、創意工夫をこらすのです。」
なかでも、佐藤店長が「一番の変化」と語るのが「品質」。「販売する農産物には、生産者自身が品名、価格、生産者名を印字したシールを貼っています。

一度買って気に入っていただいたお客さまがリピーターになることも多く、「○○さんのトマトを買いに来た」という光景もよく見られます。こうなると、まさにブランド買い。
喜んで食べてくれる人がいるから、もっといいものをつくろうと生産者を元気にするんです。」

これからも、地域の真ん中で汗をながしたい。

食べ手の笑顔を、作り手の元気に変えるJAファーマーズマーケット。
佐藤店長は、その役割をどのように考えているのでしょうか。
「手間がかからない、栽培管理がしやすいといった生産者側の理屈ばかりで農業をすれば、消費者はついていけない。逆に、ほしい品目をほしい量だけ、それも安価に提供してほしいという消費者側の理屈ばかりでも、生産者はついていけない。
地域の生産者と消費者の間に立って、お互いの顔が見える環境を作りながら、両方のバランスをうまく取っていくことが『はたけんぼ』の使命だと考えています。」
消費者と生産者と、JA。JAファーマーズマーケットを舞台に、「食」をめぐって切り結ばれる地域の「絆」が、今、農業を元気に盛り上げています。

JAが運営する農産物直売所「JAファーマーズマーケット」は、全国に約2000店舗。
「これからも地域の真ん中で汗を流して、生産者を、そして地域の農業を元気に盛り上げていきたいんです」(佐藤店長)と熱く語る人が、あなたの街にもきっといるはずです。

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