【事例1】新潟県佐渡市立真野小学校
新潟県 佐渡市立真野小学校 5年生
テーマ | 「個々のテーマで比較実験」 |
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取り組みの年 | 平成22年 |
指導 | 北川 禎教諭 |
2つのステージで、子どもによるテーマ設定の実験をする
まず、バケツ稲づくりでは、一人ひとりに芽出しと成長に関する2つのステージについて、自分でテーマを考えてもらい栽培に取り組んでもらいました。
科学的なものから、子どもらしい発想のものとさまざまですが、クラスの結果を集めて、芽を出すために必要な条件を明らかにし、理科と関連付けてほかの作物の発芽条件についても学ぶことができました。
成長のテーマも同様に子どもたちに決めてもらい研究しました。観察については、週3回ある総合的な学習の時間を活用し、細かく観察しています。また、近隣の水田と生育を比べたりしました。
収穫後は、バケツ稲からとれたお米と地元産のお米、有名ブランド米との食べ比べを実施しています。また、精米後のぬかを使った米粉パン作りや、わらを使ったクリスマスリース作りなど、できるだけすべての素材を活用した取り組みを行っています。もちろん使い終わったバケツもきれいにして来年に活用しています。
並行して郷土料理、世界の米料理も学ぶ
バケツ稲づくりと並行して1学期には郷土料理を、2学期には世界の米料理を調べ学習と調理実習を合わせて学びました。米粉を使った佐渡の伝統食「やせごま」や「おこし型」を組み合わせました。
同時にポスター作りや1年生に向けた発表会を開いています。自分たちで発表することで責任感を持って調べ、郷土料理の大切さを実感してもらいます。世界の米料理では、子どもたちが自分で調べた料理から3品程度(パエリアなど)を選び、調理実習をしました。
子どもたちの意思を尊重し、取り組む意識を途切れさせない工夫
授業に常に興味を持続させるために、子どもたちが取り組みたい内容を積極的に組み入れています。また、夏休みに忘れてしまいがちな水やりについては当番制とし、観察記録の宿題を3回に設定することにより、稲を枯らしてしまった子どもが一人も出ませんでした。
収穫時にも一工夫。種もみを数える作業は時間がかかるものですが、これが終わらないと稲刈りができないよう取り決めを作るなど、実施しなくてはいけないカリキュラムには、必ず取り組めるよう工夫を加えています。
このように、子どもたちの興味を途切れさせない工夫を加えることで、学習効果を高め、給食はほとんどの子どもが残さず食べるようになりました。体験を通じて食の『大切さ』が伝わっているようです。
真野小学校は、第20回バケツ稲づくりでも取り組んでいて、1人が2つのバケツ稲を条件を変えて成長の違いを観察していますが、第20回、22回ともに、収穫の喜びと農業に携わる人々の工夫や努力を理解できたのは共通していました。
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