【事例4】広島県府中町立府中小学校

バケツ稲づくりから環境を守る学習へ発展させた学校があります。広島県府中町立府中小学校では、バケツ稲栽培をきっかけに、田んぼ学習、そして田んぼをうるおす水をたどって、水資源を守る学習につなげています。農業から縁遠かった都市部の子ども達が、農業と自然に向きあい、食べ物に興味を持ち、自発的に「電気をこまめに消す」アクションを起こすようになるなど、大きく成長しました。

広島県府中町立府中小学校 5年生

テーマ 「バケツ稲から環境までを学ぶ」
取り組みの年 平成23年
指導 須山 理恵教諭 ほか

バケツ稲づくりから川の観察につなげて環境を学ぶ

同小学校がある広島県府中町は、工業が盛んな都市化の進んだ地域です。学校の周囲にも田んぼはほとんどなく、また、父母、祖父母の世代から、農業と関わっていない子ども達も多く、ぜひ子ども達に米づくりの体験をさせたいと、毎年、バケツ稲づくりに取り組んでいます。取り組むのは5年生4クラス全員です。

バケツ稲づくりは1学期にスタートしますが、バケツ稲づくりと合わせて、近所の田んぼへ見学に行きます。宅地の間にわずかに残った貴重な田んぼを見せていただきますが、その時、同校では、田んぼに水を運ぶ、榎川(えのきがわ)の観察を行います。

ここでゲストティーチャーが登場。「榎川をよみがえらせる会」で活動をしているボランティアの皆さんです。田んぼと榎川の様子を観察した子ども達は、その 次の学習として、榎川の上流へ調査に行きます(写真)。そこで川の生き物を捕まえて、きれいな水、少し汚い水、汚い水、大変汚い水で生き物を分類。川の状 態がどうかを調べます。その後も、環境学習(森林など)や、学習発表会などを通して、子ども達には環境への意識が芽生えるとか。自分でできることから実践 するため、「電気をこまめに消す」など自発的なアクションに繋がったそうです。

家庭科での授業とリンク

バケツ稲づくりは家庭科の授業に繋がります。小学校5年生の家庭科では、ごはんとみそ汁を作る授業があり、バケツ稲で大切に育てたお米を食べます。
また、同校では食に関する内容に力を入れており、総合学習と家庭科以外にも、社会や外国語学習にも広げています。特に、家庭科では夏休みと冬休みに、自分でした 家事を記入する家庭科チャレンジカードを記入してもらいます。挑戦する分野は8~9割が調理。食や環境に対する意識が自然に芽生える学習ができているんですね。 他の学年では地元の郷土料理であるもぶりごはんを作るなど、食育に大変力を入れています。

先生も勉強しています!

実は、指導した須山先生は子ども達と同じで、農家出身ではないそうです。そのため、親戚の農家にお願いして、お手伝いをしながら穂が出てくる直前の様子 (幼穂形成期)などを見せていただき、実際に育ててみないと分からないことを勉強したそうです。授業だけでなく、子ども達が大切につくるバケツ稲をヒヨドリやスズメからいち早く守るため、ネットを張ったりと、さまざまな工夫をされています。

須山先生はバケツ稲づくりについて、「食への興味が出て、食べ物を作り、食べるところで家庭科まで入るので、いろいろと関連が付けられます」と評価していただきました。来年度も、ぜひ子ども達の環境教育や食育活動に役立ててください!

マニュアルのダウンロード

文:バケツ稲づくり相談員 小栗 千歌枝

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