教科別学習のヒント

人間が生きていくためには「食べること」が不可欠です。生きていくために必要な「食べ物」を自分で育て、食べる体験は、肉体を成長させるだけでなく、学問と精神の成長にもつながります。そんな体験をするために、バケツ稲はとても取り組みやすい教材です。

バケツの中は田んぼの縮図

バケツの中の起こる出来事は、まさに田んぼの縮図です。

おびただしい生き物がわき、アオミドロやサヤミドロ(有機物)がわき、おのおの土にかえっていき、土の栄養源になって稲を育ててくれます。

そして、稲作は、山野の自然の営みと共生することで成り立っています。自然は毎年寸分の狂いもなく生命の循環を繰り返しています。多くの微生物が介在して 必要な分だけ有機物(土表面の)を分解して土に返して、それを草木が吸収して野生の生命の営みが出現し、雑草や大木、木々が繁茂していくのです。

バケツ稲づくりに取り組むことで、自然循環の研究まで可能なんですね。

さて、バケツ稲づくりは、全国の様々な小学校で多くの教科と関連づけて取り組まれているケースが多いようです。今回は、様々な教科の授業とリンクさせるためのキーワードを紹介しますね。

バケツ稲と様々な教科のリンク

国語

発表する、質問する、作文やまとめ文を書く、農業に関する新聞記事や民話などを読むなどから、話す、聞く、書くなどの能力向上

理科

・容器の大きさ、種類、材質などの違い、水の量、水質、土、日光の違いなどの比較実験
・稲の成長過程(幼穂(ようすい)、稲の花、害虫、もみの中身、茎、穂の本数など)、稲の成長と水や空気との関係、水田の生物と環境との関係などの観察

算数

観察記録や比較実験などのグラフ化、食料自給率などの計算などで、計算、割合、単位の修得

社会

日本の農業や食料問題、稲作農家の仕事内容と苦労と努力、日本と世界の米の違い、稲作の歴史と古代米、農業の歴史や生活文化などの資料集めや現代の農業との比較

生活

地域とのかかわり、植物の栽培、季節の変化、水田の生き物や植物の観察、泥遊び、伝統行事と米のかかわりなどの研究

家庭

米や米ぬかを使った料理で、調理、食事、栄養の研究と食べる、米の加工品を作る、日本と世界の米料理の調査など

図画・工作

バケツ稲の風景描写や観察記録で成長過程の絵を描く、わらでしめ縄や、リースなどを作る、米ぬかでせっけんを作るなど

道徳

食物とかかわる人々の苦労を知る事から生まれる感謝の心や、地域の農家やJAの人に教わることで、人とのかかわりの大切さを知る、地元への愛着などを感じることができる等から道徳心を養える

音楽

農業にまつわる伝統芸能や、発表会の歌を作って歌う

あとがき

このように、バケツ稲づくりの取り組みからは多くの気づきとともに、ほぼ全教科に関連した学びができます。授業の教材として大いに役立てて頂ければうれしいです。

マニュアルのダウンロード

文:バケツ稲づくり相談員 小栗 千歌枝

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