(山口県)ひづみ保育園
2020年5月9日(土曜日) 籾まき
水を少し入れた皿に籾を撒きました。二人でペアになり、一粒一粒間隔をあけながら、約20粒ほど丁寧に撒きました。芽が出るのを楽しみに籾まきをしました。この種からお米が出来る事を子どもたちに伝えると、お家で見た事があるという子や、不思議そうに観察している子など反応は様々でした。「明日お米できるの?」と、笑わせてくれる子もいました。
2~3日すると可愛らしい芽が出てきました。お皿の中の水が乾かないように、毎日水を少しずつ入れながら籾の生長を楽しみに待ちました。温かい場所に置き、種籾に十分酸素が行きわたるように、水は毎日取り換えました。「僕たちのでたよ~」「私達のもでたよ~」とみんな大喜びでした!
芽が出るのを楽しみに
2020年6月9日(火曜日) 土壌作りと泥んこバケツ植え
1ヶ月経ちました。籾から出た苗は5cmぐらいになり、バケツに植える事にしました。まず土作りからです。鹿沼土や黒土、赤玉土を混ぜ合わせ、バケツにスコップで入れます。そして肥料を混ぜ込み水を張ります。田んぼの土と同じくらいの柔らかさにするため、バケツの底まで上手く水が入り込むように混ぜます。苗を植える前から泥だらけになり、田植え体験をしました。(笑)
ひょろりと伸びた苗(園長先生曰くサザエさんの波平さんの毛)を、1本1本大事に間隔をあけながらバケツに植えました。なかなかうまく立たなくて、子どもたちは苦労していました。実は後から分かった事ですが、芽が少し出た時点でバケツに植えた方が良かったようです。少しバケツ植えが遅かったようです。
苗のバケツ植え
2020年6月29日(月曜日) 苗の分げつと移しかえ
1本の苗から少しずつ分げつ(ぶんげつ)が始りました。分げつとは種子から出た茎の根元から新しい茎が出る事をいいます。1本の苗の茎が5~6本になると分げつは止まります。丈夫で元気な苗を5,6本中央に集めて1株にしました。バケツの中の水の加減が難しく、なかなか分げつが進まず心配しましたが、何とか苗らしくなりました。暑くなると、バケツの中の水温が高くなり藻が発生。度々バケツの水を替えながら、子どもたちと「大丈夫かな~?」と見守っていました。お世話のかいがあり、分げつも進み1株約20本ぐらいの茎が出てきて、50㎝の苗ができました。良かったね!
苗の分げつ
2020年7月20日(月曜日) 苗から稲へ
暑くなるとバケツの水がすぐになくなってしまうので、水がなくならないようにみんなで注意しました。バケツの中にボウフラを発見!ぎゃ~子どもたちは興味津々でした。稲も80㎝の高さに成長になりました。これでひとまず一安心!
2020年8月17日(月曜日) 中干し
夏の暑い盛りに中干しをします。水を抜いて土にヒビが入るまで乾かす作業を『中干し』と言い、バケツと土の隙間が2㎝くらいになるまで乾かします。雨が入らないように気を付けて軒下に移動しました。今年は大きな台風も来なくて、無事に中干しを終了することができました。
この頃になるといろいろな害虫がやってきました。『葉が食べられているな~』と思ってよく見てみると、なんとバッタが止まっていました。子どもたちは喜んで捕獲してくれるのですが、何とも逃げ足の速いバッタで、みんな四苦八苦していました。その他イネツトムシ?の幼虫が葉を閉じて巣を作っていました。無事に稲ができることを祈るばかりでした。
2020年9月14日(月曜日) 立派?稲が実りました
穂が膨らみ、黄金色に実り頭を下げてきました。もうすぐ稲刈りです!中には白くなり実ができていない稲穂もありましたが、どのバケツも立派?な稲が出来ました。
鎌を使って稲刈りを…と思ったのですが、安全性を考えて一人でもできるようにハサミを使って『稲きり』をしました。切った稲は穂を下にして根元を縛り、風通しが良い場所で干しました。
稲刈り(稲きり)
稲干し(はぜ干し)
2020年9月26日(土曜日) 脱穀
よく乾いたので、次は『脱穀』の作業です。稲穂から籾を取ります。牛乳パックの中に穂を入れて、引っ張ると面白いように籾がとれました。子どもたちは集中して脱穀していました。
脱穀(だっこく)
2020年9月30日(水曜日) 籾すり
すり鉢と野球ボールを使って籾すりをしました。すり鉢の中に籾を一握り入れて、硬式の野球ボールでこすり上げ、息を吹きかけてもみ殻を飛ばします。目の中にもみ殻が入ってはいけないのでうちわを使ってみたのですが、なかなかうまく吹き飛ばず大変でした。「昔の人は機械がないから大変だったんだね。」という話をすると、けいちゃんが「昔の人は野球ボールを使っていたの?」との質問。「う~ん…野球ボールは使ってなかったかも。」ゴーグルかメガネをかけて作業しなければいけないな~と思いました。(笑)
もみすり
2020年10月21日(水曜日) 精米
玄米を瓶に入れ、棒でついて、出てきた粉(ぬか)を落とします。この作業はみんな楽しんで、力強くついてくれました。(瓶が割れるのではないかと心配しましたが)機械でするような白いお米には程遠かったのですが、ちゃんとお米になりました。
精米
2020年11月9日(月曜日) バケツ苗の収穫祭
みんなのバケツ苗をあわせて、両手いっぱいぐらいのお米が収穫できました。どんな味がするのか楽しみです。ほぼ玄米ですので、2~3日水によく浸してから鍋にいれて炊くことにしました。ご飯は炊飯器で炊くものだと思っている子もいるようで、鍋でご飯を炊くことに興味津々。ご飯のできる過程を子どもたちと観察しながら、楽しみに待ちました。子どもたちから「いいにおいがする~。」と歓喜の声!少し硬かったですが、美味しそうなご飯が出来ました。ラップおにぎりにしておやつでいただきましたよ。子どもたちからは、「美味し~い」と好評でした。
初めてバケツで稲を作ることに挑戦し、いろいろと失敗もありましたが、お米作りの大変さと、昔の人の知恵を改めて感じました。『ご飯粒を残したらバチが当たる。』と言われる意味がよく分かりました。美味しいご飯が食べられるということに感謝しながら、一粒を大切に、残さず頂かなければいけないねと子どもたちと話しました。来年はもっと収穫できるように頑張りたいと思います。
収穫祭
美味しい~‼