「ひじきにはヒ素が含まれているから注意したほうがいい」と聞きました。でも「妊娠中はひじきを食べなさい」と言われます。どちらが本当ですか?
ひじきには食物繊維やミネラルが豊富に含まれているので、ぜひ優秀な副菜として食卓に登場させてください。
2004年に英国食品規格庁よりひじきに有毒物質が含まれているという勧告が出されましたが、その後の厚生労働省の調査によれば、毎日大量に摂取するのでなければ問題はないとされています。例えば、ひじきを毎食主食代わりにする…というような極端なことをしなければ大丈夫です。
カフェインがよくないと聞きますが、どの程度なら大丈夫でしょうか?
コーヒーを飲むなら1日2~3杯までとし、玉露を除くお茶はさらに安心であることが分かりますが、なるべくノンカフェインの飲料で水分補給できるとよいですね。
カフェインの摂取による胎児への影響については様々な調査・研究が行われています。
カフェインを1日300mg以上摂取している妊婦はそうでない妊婦に比べて流産リスクが2倍になるという報告もありますが、現在の段階では、まだ断定できていません。
ただ、過剰なカフェインは、胎盤への血流を減少させたり、代謝機能が低い赤ちゃんの体内に蓄積したり、なによりプレママの精神を高ぶらせる作用がありますので、控えめにするに越したことはないでしょう。
1杯(150cc)あたりのカフェイン含有量 は、ドリップコーヒーなら100mg、紅茶、煎茶、ほうじ茶、ウーロン茶では30mg、玉露は特別高くて180mg…となります。
カレー、キムチ、明太子など、辛いものが好きなのですが、妊娠中は食べない方がいいのでしょうか?
辛いものは悪者ではありませんが、食べ過ぎに注意。
塩分を排出してくれるカリウムたっぷりの野菜や果物と一緒に。
「妊娠中は刺激的なものを食べてはいけない」という方もいらっしゃいますが、インドや韓国タイのような日常的に辛いものを食べる国のプレママ達は、普通に辛いものを食べていますよ。
スパイスの中には代謝をよくしてくれるものがあり、トウガラシには身体を温めてくれる作用があります。辛いものが悪者というわけではありません。
ただ、日本人は、食習慣的に、辛いものに対する耐性がそれほど強くないので、食べ過ぎると、胃痛など体調不良を起こす可能性はあります。
また、味が濃いので、塩分のとりすぎや、食欲が刺激されて思わず食べ過ぎてしまうと、体重増加が心配されます。
塩分を排出してくれるカリウムたっぷりの野菜や果物と一緒に、時々、適量を、美味しくいただけるといいですね。
料理が苦手で細かい食事管理ができません
難しく考えず、「薄味でエネルギー量に注意しながらたくさんの種類の食材を食べよう」と心がけてください。
基本の食事を一汁三菜の素朴な和食にすれば無理なく多くの種類の栄養素がとれます。
一汁三菜とは、主食(ごはん)、汁物、おかず三種(たんぱく質を補う肉や魚などの主菜を一品、ミネラルやビタミンを補う野菜や豆などの副菜を二品)組み合わせた伝統的な和食の献立です。ちなみに、「一汁三菜」の「菜」は、主菜や副菜の「菜」ですので、添え物としての漬物は三菜にカウントしません。
副菜は何種類か作り置きしておいてもいいですし、作るのが大変な時は一品買ってきて足してもいいじゃないですか。難しく考えなくても「薄味でエネルギー量に注意しながらたくさんの種類の食材を食べよう」と心がけていれば、自然と理想の食事に近づいていくはずです。
外食の際は、丼ものより定食を選ぶ、単品の時は炭水化物を控えめにして野菜料理を一品追加する、全体的に彩りがあるものを選ぶ…など、あらかじめ自分の中でルールを決めておくと選びやすいですね。