代表的な稲の病気

バケツ稲づくり相談室では、全国からの問い合わせに対応するため、北海道「ななつぼし」、青森県「まっしぐら」、秋田県「あきたこまち」、鹿児島県「あきほなみ」、セットの品種、「コシヒカリ」と「日本晴」、黒米「朝紫」を栽培しています。代表的な稲の病気について説明します。稲の病気はたくさんありますが、その中から代表的な3つの病気について解説します。稲が病気になっているか、また、どんな病気なのかの見分け方は、葉や穂にできる病斑や病変の状態をみて判断します。

稲の病気

いもち病

いもち病

原因

いもち病菌はカビ菌の一種のため、湿気の多い環境で発生します。
一般的に6月下旬~8月上旬の時期が発生期間です。
バケツ稲(1つのバケツに1株)の場合は、稲と稲の間隔が広いので風通しも良く、田んぼと比較すると発生率は低くなります。風通しや日照条件が悪く、稲が密集する環境になるほど発生率は高くなります。
また、スズメ対策としてバケツ稲の周りに網を張る場合も、目の細かい網の場合は、密閉度が高まり湿気が高くなることで発生する場合があります。
網はスズメが入ることができない大きさで、荒い目のものを選ぶようにしましょう。

症状

いもち病菌はカビ菌の一種のため、湿気の多い環境で発生します。
一般的に6月下旬~8月上旬の時期が発生期間です。
バケツ稲(1つのバケツに1株)の場合は、稲と稲の間隔が広いので風通しも良く、田んぼと比較すると発生率は低くなります。
風通しや日照条件が悪く、稲が密集する環境になるほど発生率は高くなります。
また、スズメ対策としてバケツ稲の周りに網を張る場合も、目の細かい網の場合は、密閉度が高まり湿気が高くなることで発生する場合があります。
網はスズメが入ることができない大きさで、荒い目のものを選ぶようにしましょう。

予防

いもち病は感染力がとても強いため、発生した場合は注意が必要です。
湿気を好むいもち病の予防策として、葉や茎に水滴を見つけたら払い落としてください。
それだけでもいもち病の発生率を下げることができます。

病後の対策

バケツ稲づくりでは農薬を使いませんので、病気になってしまった場合は、他の葉や稲に感染しないように病気の部分を切り取ります。また、病気のバケツ稲と健康なバケツ稲は、置く場所を離して育てるようにしましょう。切り取った葉や茎は焼くか、ゴミとしてすぐに処分してください。

縞葉枯病

縞葉枯病(しまはがれびょう)

原因

ヒメトビウンカなどによってウイルスが運ばれ、感染します。

症状

葉や葉鞘に黄緑色、黄白色の縞状の病斑を発生させます。発病すると分げつが少なくなり、生育も不良となって、その後、枯れていきます。
分げつ期に最も発病しやすく、稲の初期の感染では、新葉が細く巻き込んだ状態で、垂れ下がって枯れるため、その症状から「ゆうれい病」とも呼ばれます。後期感染では、黄緑色の条斑を生じ、穂の成長が途中で止まって出穂に異常をきたす(出すくみ)場合があります。

予防

ウンカによる伝染を防ぐために、6月ごろに飛来が多いウンカ類の駆除をします。
駆除の方法は、バケツの水に食用油を数滴垂らした後に稲を揺らします。葉や茎に付いていたウンカが払い落され、水の中に落ちて窒息死します。
また、茎の根元にいるウンカは、油が絡まって上に上がれなくなります。

病後の対策

いもち病の対策と同様に、病気の部分を切り取って、病気のバケツ稲は離して育てるようにしましょう。

ごま葉枯病

ごま葉枯病

原因

ごま葉枯病菌が種もみや被害わらに付着して越冬し、葉、穂首、もみ、節に発生します。
不良土が主な原因です。

症状

葉の一面に黒褐色でごま粒状の病斑ができます。
普通は楕円形の褐色でやや不鮮明な円状の輪紋があるのが特徴です。

予防

鉄分不足の土などが原因とされています。
バケツ稲づくりでは、養分不足の土にならないように、新しい土に肥料を入れることを推奨しています。

病後の対策

いもち病や縞葉枯病の対策と同様に、病気の部分を切り取って、病気のバケツ稲は離して育てるようにしましょう。

稲の代表的な病気を3つ紹介しました。バケツ稲づくり相談室で育てている稲では、
「コシヒカリ」が縞葉枯病にかかってしまったようです。
枯れた葉がゆうれいのように垂れ下がっていますが、
8月15日には穂が出て元気に育っていますので、大きな被害にはならなかったようです。

文:バケツ稲づくり相談員 小栗 千歌枝

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