水管理のポイント

バケツ稲を育てる上で、一番注意が必要なことはなんでしょうか。答えは稲の命を支える「水」の管理です。育てる過程で水の量は変わっていきます。

種まき

種もみは、ゆるめの泥の中に植えましょう。
水をためてしまうと、種もみが水面に浮かんでしまいます。
浮いた種もみは根を張ることができず、そのまま枯れていきます。

POINT

種まき後は、苗が5cmくらいに育つまでは、表面に水をためずにゆるめの泥の状態を保ち、育った後は2~3cmの水位を維持してください。

植え替え

苗を植え替える時も同じです。
植え替えた苗が根付くまでゆるめの泥の状態を保ち、水を入れ過ぎないようにしましょう。
種まき直後と同様に、水を入れ過ぎてしまうと苗が浮いて枯れてしまうからです。

POINT

苗がしっかり根付いた後は、成長に合わせて水を増やしていきましょう(苗の長さの1/3程度が目安です)。

中干しとその直後

中干しの時は、バケツの水を全部捨てください。
気温が30℃くらいの時は、3日ほど乾かします。
土の表面にヒビが入ったり、バケツと土の間にすきまができたら中干しを終了してください。
気温が高すぎると1日で表面にヒビが入るほど乾くので、その時は1日で終了します。乾かしすぎると稲が枯れてしまうので、注意が必要です。

POINT

中干しが終わった後は、水を3cmほど入れ、なくなったら足すということを5回ほど繰り返し、その後は5cmの水位を保ってください。

穂のあかちゃん(幼穂=ようすい)ができ始める頃

幼穂(ようすい)をつくり始める頃は、稲が成長の中で一番栄養と水分が必要とする時期なので、水をこまめにあげて5cmの水位を保つようにしましょう。

POINT

穂が出た後は、水がなくなったら足すということをくり返します。

稲刈り

「落水(らくすい)」といって10日ほどかけて完全に水を抜く作業を行った後、
よく晴れた日に刈り取りましょう。

以上が水管理のポイントです。特に学校での夏休みは注意が必要です。
新学期に登校した時に、稲が枯れてがっかりすることがないように、休みの間もみんなで協力して、稲のお世話をしてあげましょうね。

マニュアルのダウンロード

文:バケツ稲づくり相談員 小栗 千歌枝

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