よくあるご質問
- Q1稲(いね)づくりは、いつごろからはじめたらいいの?
- 稲(いね)は、あたたかい気温を好むので、農家で苗(なえ)を育てる場合は、ビニールハウスの中で20~25℃の温度で育てています。バケツ稲(いね)づくりの場合は、気温があたたかくなる5月くらいにはじめるとよいでしょう。じょうぶで健康的な苗(なえ)を育てれば、お米づくりの半分が成功したのと同じ「苗半作(なえはんさく)」という言葉があるほど、発芽(はつが)から苗(なえ)の移しかえまでの時期は大切です。この時期は、日当たりと温度管理には特に気をつけてください。
- Q2真っ白い米と透明(とうめい)の米の違(ちが)いは?
- 透明(とうめい)の米は、よく熟(じゅく)したおいしい米です。いろいろな原因で完全に熟(じゅく)しきれない場合に白い米ができます。米粒(こめつぶ)の中心が白くなっているものを「心白米(しんぱくまい)」、芽が出る部分で胚(はい)のふちが白いものは「腹白米(はらじろまい)」、さらに稲(いね)かりが遅(おく)れて、熟(じゅく)しすぎて米粒(こめつぶ)の内部にひびが入ったものが「胴割米(どうわれまい)」などと言われています。白っぽい米は、デンプンの割合(わりあい)が少ないため、食味があまりよくありませんが、全体の20%以下なら食味に問題ありません。
- Q3バケツ稲(いね)を屋上で育てる場合の注意点は?
- 屋上で育てる場合は、次の点に注意してください。
(1)地上より風が強いので稲(いね)がたおれやすい。
屋上の場合は、さえぎるものがなく、強い風にさらされることが多くなります。風の強い日は風よけを置いて稲(いね)を守ってください。
(2)夏に高温になりやすい。
夏の屋上は、強い日差しが当たって高温になりやすいので、稲(いね)の育ち具合に影響(えいきょう)をあたえることがあります。たとえば、バケツの中の水が熱くなりすぎて水がくさることがあるので、お風呂(ふろ)のお湯のようになった場合は水を取りかえてください。特に、夏休みの間は気をつけてください。
- Q4ちゃわん一杯(いっぱい)分のごはんの栄養はどのくらいあるの?
- ごはんにはビタミンやミネラル、タンパク質(しつ)などが含(ふく)まれています。ちゃわん一杯(いっぱい)分のごはんの栄養を身近な食品に置きかえてみると次のようになります。
- カルシウム---------プチトマト 約3個分
- 鉄分-----------------とうもろこし 約1/3本
- ビタミンB---------さやえんどう 約12枚分
- ミネラル----------グリーンアスパラガス 約5本分
- 亜鉛(あえん)やマグネシウム---ほうれん草 約1/2束分
- ビタミンE--------ゴマ小さじ約8杯(はい)分
- タンパク質(しつ)--------牛乳(ぎゅうにゅう)コップの約半分
ごはんは、たくさんの種類の栄養が取れるのでとても栄養のバランスの良い食べ物です。ごはんは、パンや麺類(めんるい)よりゆっくりと消化・吸収(きゅうしゅう)されるため、おなかがすきにくくなります。また、ホルモンの分泌(ぶんぴ)がゆるやかで、体脂肪(しぼう)の蓄積(ちくせき)がおさえられるなど、ごはんは太りにくく、健康によい食べ物だと言えます。
- Q5稲(いね)に害をあたえる天候には、何があるの?
- 台風などの強風で大きな被害(ひがい)が発生します。また、洪水(こうずい)で、田んぼ自体が流されてしまうこともあります。水不足も深刻(しんこく)な被害(ひがい)をもたらします。冷夏ではイモチ病が発生するリスクが高まります。最近では地球温暖化(おんだんか)の影響(えいきょう)で、気温が高くなりすぎて、もみの中身が入らない白い穂(ほ)になるなどの高温障害(しょうがい)が発生しています。
- Q6バケツ稲(いね)と田んぼの稲(いね)の違(ちが)いは?
- バケツ稲(いね)を育てる場合は、田んぼと違(ちが)って同じ場所に他の稲(いね)がないので、病気のもとになる菌(きん)がついたり、広がったりすることや、害虫が飛んでくる可能性は田んぼに比べて少なくなります。バケツ稲(いね)は、校庭やおうちのベランダなど、身近なところに置けて移動もできるので毎日の観察にも便利です。
- Q7バケツ稲(いね)で取れるお米の量はどのくらい?
- ひとつのバケツに3本ほど苗(なえ)を植えた場合、稲(いね)の育ち具合によっても変わりますが、収穫(しゅうかく)できるお米の粒(つぶ)はおよそ800粒(つぶ)くらいです。ごはん茶わん一杯(ぱい)で、およそ2,400粒(つぶ)くらいのお米が含(ふく)まれているので、バケツ3つくらいで、ちょうど茶わん一杯(ぱい)分くらいになります。
- Q8「バケツ稲(いね)づくりセット」についている米の品種は何?
- バケツ稲(いね)づくりセットの種もみの品種は、食味がよい「コシヒカリ」です。現在、日本で最も多く作られている品種です。
- Q9学校が休みの日の水管理は、どうしたらいいの?
- 土、日曜日などお休みをはさむ時の水の管理は、金曜日に水を少し多めに入れておくとよいでしょう。ただし、水の深さは苗(なえ)の高さの3分の1のところまでにしてください。水管理以外では、苗(なえ)を育てている時期は、特に「温度」に注意してください。稲(いね)が育つ温度は30℃くらいがちょうどよいため、冷えこみそうな日の前日に室内へ入れるなどの工夫をしてください。夏休みは2、3日に一度の割合(わりあい)で水を足してください。
- Q10農薬はいつごろから使われるようになったの?
- 江戸(えど)時代には鯨(くじら)から取った油を水田にまき、稲(いね)についている害虫をはらいおとす方法が発明されました。水面にクジラの油を落とすと、水面に油の膜(まく)ができて密封(みっぷう)状態になり、水の中にはらいおとされた害虫は呼吸(こきゅう)ができなくなり死んでしまいます。この方法は昭和の初期まで続けられました。また、第2次世界大戦前には蚊(か)取り線香(せんこう)と同じ成分の除虫菊(じょちゅうぎく)や、たばこから取れる硫酸(りゅうさん)ニコチンなどを用いた殺虫剤(さっちゅうざい)、銅、石灰硫黄(せっかいいおう)などの殺菌剤(さっきんざい)など天然物由来の農薬が使われていました。第2次世界大戦後、科学技術の進歩により効(き)き目のよい化学合成農薬が開発され、農作業の効率化につながりました。
参考:農林水産省:農薬の歴史