よくあるご質問
- Q1かり取った稲(いね)から生えてきた草は何?
- かりとった稲(いね)の切り口からのびてくる苗(なえ)を「ひこばえ」と言います。かり取っても根は生きているので、また稲(いね)が育ってきます。他の植物でも切った草木の根や株(かぶ)から同じように芽が出ることがあります。
- Q2収穫(しゅうかく)したお米が少ない場合、どうやってごはんを炊(た)けばいいの?
- ひとつのバケツ稲(いね)でできるお米の量は、ごはんちゃわんに3分の1ほどです。バケツ稲(いね)で取れた少量のお米でも、いつものお米と一緒(いっしょ)に炊飯(すいはん)器でたく方法をご紹介(しょうかい)します。
- 1. 炊飯(すいはん)器にいつもたく量のお米とお水を入れます。
- 2. 湯のみちゃわんか、同じくらいの大きさ、形の耐熱(たいねつ)の器にバケツ稲(いね)のお米を入れて、お米の1.2倍のお水を入れます。
- 3. 1.の炊飯(すいはん)器の中に2.の湯のみちゃわんを入れてふたをして、いつものようにたき上げます。この方法は、ごはんとおかゆ、白米と玄米(げんまい)、白米とまぜごはんなど、一度に2種類のごはんがたけます。家族の1人が体調をくずして、おかゆをたこうと思った時などには、とても便利です。くわしくはJAグループのホームページ「身近な食や農を学ぶコーナー」⇒「お米づくりに挑戦(やってみよう!バケツ稲(いね)づくり)」の「ヒントとコラム」⇒「2.お米を使った料理」をクリックすると画像でも見られます。
https://life.ja-group.jp/education/bucket/column/recipe02
- Q3穂(ほ)に黒い点がつく病気は何?それがついても米は食べられるの?
- 穂(ほ)の黒い点は、カメムシに吸(す)われた後に空気がふれることで、そこに細菌(さいきん)がついてカビが発生し、黒くなります。もみすりをした後の玄米(げんまい)にも黒い点が見られます。病気では穂(ほ)イモチ病などです。穂(ほ)イモチ病の症状(しょうじょう)がある時点で、すでに茎(くき)や葉もイモチ病にかかっています。食べても害はありませんが、味や見た目が悪いので、脱(だっ)こくの時に取りのぞいた方がよいでしょう。
- Q4もみがらはどんなものに利用できるの?
- もみがらは、焼いて黒く炭化させた燻炭(くんたん)にして苗代(なわしろ)の保温材にしたり、牛・豚(ぶた)・馬・にわとりの寝床(ねどこ)として使います。また、堆肥(たいひ)の材料になります。まくらの中のつめ物、くだもの箱などのクッション材、保温材などにも使われています。
- Q5すり鉢(ばち)と軟式(なんしき)ボール以外で簡単(かんたん)なもみすりの方法は?
- 臼(うす)と杵(きね)を使って、もみすりと精米を同時にする方法もあります。昔の方法ですが、時間もかかり体力も必要です。インターネットで小型もみすり器が6,000円くらいで売られているようですが、使ってみるとかなり時間がかかります。お金をかけない方法であれば、やはり、すり鉢(ばち)と野球の軟式(なんしき)ボールを使う方法になります。コツが分かれば意外とすんなりもみは外れます。すり上げるコツは、すり鉢(ばち)に一つまみの少量のもみを入れて、すり鉢(ばち)の側面を使ってゴリゴリと下から上にすり上げていきます。すり鉢(ばち)の代わりにザルでもできます。
- Q6昔の精米(せいまい)方法は?
- 今から500年ほど前までは、かり取った穂(ほ)から、もみをそぎ落とし、その後、臼(うす)中に入れて杵(きね)でついていました。もみどうしがこすれ合うことでもみがらがはがれ、今のように真っ白にはなりませんが、もみすりと精米(せいまい)が同時にできました。150年前になると、「唐臼(からうす)」といって、足を使った精米機(せいまいき)が発明されました。手で杵(きね)をつくより、力がいらず楽に精米(せいまい)できるようになったそうです。 その後はどんどん発明が進み、人力ではなくモーターを動力とする現在の精米機になりました。
- Q7稲(いね)の収穫(しゅうかく)後に干(ほ)すのはなぜ?
- 収穫(しゅうかく)直後のもみの水分は20~25%あります。このままだと水分が多すぎて、米が変質してしまいます。そのため、水分が15%程度になるまで乾燥(かんそう)させ、保存(ほぞん)できるようにします。おおよそ10日くらいの乾燥(かんそう)が必要です。簡単(かんたん)な乾燥(かんそう)方法は、かり取った稲(いね)の根元をひもでくくり、逆(さか)さまにして雨の当たらない屋根のある風通しの良い場所につるしてください。
- Q8もみすり後の米の中にある緑色の米があるのはなぜ?
- 稲(いね)の成長にも差があるので、全ての穂(ほ)が同時には出ずに順番に出てきます。多くの穂(ほ)は出る時期の差がありませんが、たくさん実らすために、いつまでも穂(ほ)は出てきます。最初に出そろった穂(ほ)が茶色くなり、収穫(しゅうかく)する時に出てきた穂(ほ)は、これから成長していくため、まだ緑色をしています。収穫(しゅうかく)の時には、茶色の穂(ほ)も緑色の穂(ほ)も一緒(いっしょ)にかり取るために、もみすり後の米の中に緑色の米が混ざります。また、同じ1本の穂(ほ)でも、もみの花の咲(さ)く時期が違(ちが)うことがあり、後から花を咲(さ)かせたもみも成長がおくれて緑色の米になります。
- Q9風でたおれた稲は元に戻(もど)るの?
- 稲(いね)は、弱い風ではたおれませんが、台風のような強い風の場合はたおれることがあります。ぽっきり折れていなければ、もとに戻(もど)り、持ち直す場合があります。その時は、支柱(しちゅう)を立てて支えて下さい。成長途中(とちゅう)の若々(わかわか)しい稲(いね)の方が持ち直す可能性が高いです。収穫(しゅうかく)直前の稲(いね)は、実った米の重みで穂(ほ)がたれてくるので、その分、たおれやすくなっています。たおれた稲(いね)は、そのままにしておくと、くさることがありますので、熟(じゅく)す期間が少し短くてもかり取ってください。
- Q109月5日に穂(ほ)が出ました。いつかり取ったらいいの?
- 収穫(しゅうかく)の時期は、穂(ほ)が出てから35~45日後くらいです。8~9割(わり)のもみが黄金色になったころが目安です。9月5日に穂(ほ)が出た場合、10月の始めから中旬(じゅん)が収穫(しゅうかく)の時期になります。かり取りの10日くらい前から、落水(らくすい)といって、水をすてて土をかわかす作業をします。気温が22~25℃くらいの日にかり取るとお米の味がよくなります。かり取った稲(いね)は、根元をひもでくくり、穂(ほ)を下にして、風通しがよく雨があたらない場所につるして、10日くらいかわかします。
- Q11実った穂(ほ)が雨にぬれてもだいじょうぶ?
- 収穫前(しゅうかくまえ)であれば、多少ぬれてもだいじょうぶです。稲(いね)に緑の葉が残っている時は生きている状態なので、水がかかってもくさることはありません。ただし、収穫(しゅうかく)後や、熟(じゅく)した穂(ほ)は、枯(か)れたものに近い同じ状態になるので、ぬれたまま放っておくとくさってしまいます。もし、収穫(しゅうかく)する直前に、雨で穂(ほ)がぬれてしまったら、2~3日、そのままかわかしてから収穫(しゅうかく)してください。
- Q12穂(ほ)が白くて、中身がない。なぜ?
- 稲穂(いなほ)全体が白くなり、中身が入らない状態を、「白穂(しらほ)」といいます。あたたかい風が強く当たり過ぎたり、天候(てんこう)が悪かったりすると、自然に枯(か)れて、白穂(しらほ)になったりする場合があります。また、ニカメイチュウが原因の場合もあります。幼虫(ようちゅう)のころに茎(くき)の中に住んで稲(いね)を食べます。白くなった稲穂(いなほ)は茎(くき)の根元から切り取って、茎(くき)の中に虫がいないかを確認(かくにん)してください。また、成長不良で穂(ほ)に栄養がいかない場合も白くなったり、中身がなくなったりすることがあります。
- Q13肥料として油かすを入れたら水がくさくなったけど、においを取る方法はあるの?
- バケツの水は循環(じゅんかん)していないため、特に気温が高いと水が熱くなり、油かすが発酵(はっこう)してくさくなることがあります。においがなくなるまで、何回か水を入れかえて下さい。油かすもそうですが、じゅうぶんに発酵(はっこう)していない牛ふんも同じです。このような時は、根をいためることがありますので、水を入れかえる回数を増やします。それでもにおいが消えない場合は、根を傷(きず)つけないような場所に、シャベルを土に垂直(すいちょく)に差しこんで、土とシャベルの隙間(すきま)に勢いよく水を流しこみます。水がきれいになるまで数か所おこなってください。
- Q14穂(ほ)がでたあとの、バケツの水はどう管理すればいいの?
- 穂(ほ)が出た後も水はたっぷりと入れておきます。もみの中身がしっかり入ってくるともみが重くなり穂(ほ)がたれてきます。穂(ほ)が下がり始めたら、深さ3cmくらいの水を保(たも)ちます。
- Q15なかなか穂(ほ)が出ないのは、なぜ?
- 天候によって穂(ほ)がなかなか出ない場合があります。異常(いじょう)気象で、くもりの日が続いた後に記録的な猛暑(もうしょ)になるなど、急激(きゅうげき)な天候の変化でストレスを受けると、稲(いね)の体力が落ちて、穂(ほ)の成長がおくれる可能性があります。それでも9月中に穂(ほ)が出れば、問題はありませんので、もうしばらく様子を見てください。
- Q16稲(いね)かりはいつごろすればいいの?
- 稲(いね)かりの目安は穂(ほ)が出てから35~45日後です。8月下旬(げじゅん)に穂(ほ)が出たら、かり取るのは10月初めくらいが目安ですが、通常は見た目で時期を判断します。穂(ほ)が頭を深くたれ、緑色の部分が下の方に少し残るくらいで、8割(わり)ほどが黄金色になったら水をすてて、稲(いね)を10日間ほどかわかしてから収穫(しゅうかく)してください。
- Q17なぜ稲(いね)かり前は水をやらないの?
- 収穫(しゅうかく)の前に水をすてて稲(いね)をかわかす理由は、実ったお米の水分量を調節して、味を良くし、長い期間の保存(ほぞん)ができるようにするためです。お米の水分が多いと、くさりやすくなります。長く保存(ほぞん)もできて、おいしいお米の水分量は15%です。田んぼの水をすてて土と稲(いね)をかわかすのは、収穫(しゅうかく)のときに土がかわいて歩きやすくなり、稲(いね)もかわくのでかり取りやすくなるからです。収穫(しゅうかく)した時のお米の水分量は20~25%なので、15%に近づけるためにさらに穂(ほ)を下にして、稲(いね)をかわかします。また、脱(だっ)こく、もみすり、精米をしたときにも作業がしやすい硬(かた)さになります。バケツ稲(いね)づくりの作業は、田んぼの作業を小さなバケツで再現しています。作業もしやすく、味もおいしく、保存(ほぞん)食にもなる水分の量を探(さぐ)り当てた昔の人の知恵(ちえ)はすごいですね。
- Q18収穫したもみの中が空っぽ。どうして?
- 穂(ほ)に実が入らない原因はいろいろあります。気温や、天候による自然な現象や、稲(いね)の病気、害虫によるものがあります。害虫の場合は、ニカメイガの幼虫(ようちゅう)のニカメイチュウが茎(くき)の節(ふし)のあたりから入って、茎(くき)の中で稲(いね)の養分を吸い取ってしまい、穂(ほ)に栄養がいかなくなります。その他、シラハガレ病、イモチ病など病気が原因で稲(いね)が枯(か)れて、栄養が穂(ほ)に送られないなどがあります。
- Q19わらは何に使うの?
- 昔の人は、わらでいろいろなものを作って生活に役立てていました。代表的なものをあげてみます。
- 1. みの…レインコート
- 2. なわ…物をしばる道具
- 3. わらじ…くつ
- 4. 雪(ゆき)ぐつ…長ぐつ
- 5. たたみ、ござ、むしろ…ゆか、地面などにしくもの
- 6. 納豆(なっとう)の藁苞(わらづと)…納豆(なっとう)づくりの道具。わらについた菌(きん)で納豆(なっとう)ができる
- 7. わらの灰(はい)…肥料や、火ばちに入れて炭を長持ちさせ、周囲を温める
- 8. 牛・豚(ぶた)などの家畜(かちく)のベッド
- 9. お正月のしめかざり
- 10. 田んぼや畑の肥料
わらは、生活のさまざまなところで活躍(かつやく)してきました。