妊娠中の便秘 辛いだけでなく危険だった
妊娠初期は、つわりのために食事があまりとれない状態が続くため、排泄量が少なくなります。中期以降になると、黄体ホルモンの影響で筋肉が弛緩し、腸の動きが弱くなります。後期になると、大きくなった子宮に腸や肛門周辺の静脈が圧迫されます。
いずれも、便通が滞りがちになる原因になります。
便が腸に滞在する時間が長くなると、便から水分が失われていきます。その固くなった便をいきんで排泄すると、痔になってしまうことも。
また、溜まった便やガスが原因でお腹が張ってしまう事もあります。切迫流産や早産などの子宮収縮と、便秘の際に起こる腸の収縮は、位置も近く区別が付きにくいので、子宮に関する深刻な事態が起きても判断しづらくなってしまいます。
強い腹痛や下痢は子宮を収縮させ早産や流産を誘発することもあります。
普段から便秘気味で下剤を常用していた方も、プレママ期間中は独自の判断をせず主治医に相談してください。
便秘にならないためには?
便秘の対処法は、規則正しい生活と、適度な運動、そしてリラックスすること。
腸は自律神経と深く関係していて、ストレスを感じると腸の働きが鈍くなってしまいます。妊娠中はストレスを感じることが多いかもしれませんが、なるべく心身ともにリラックスできる環境を作りましょう。
そして何よりもまず、水分を十分にとってください。そして、腸の働きをスムーズにし、便のカサを増す食物繊維をとりましょう。
食物繊維が豊富に含まれている食材は、芋類、きのこ類、ごぼう、りんごなど。実りの秋に旬を迎える食材たちが多いです。
ほかにも、コンニャク、海藻類、豆類、かんきつ類、穀類なども食物繊維の宝庫。穀類は、パンよりご飯、白米より雑穀米や玄米のほうがより便秘解消効果が高くなります。
腸内環境を整えるため、ヨーグルトや納豆、キムチ、ぬか漬けなどの発酵食品をとるのもおすすめです。
食物繊維だけじゃない サツマイモの実力
便秘に効く食べ物として有名なのは、サツマイモ。生のサツマイモを切った時にじわっと出てくる白い液体、それは、サツマイモ特有のヤラピンという成分です。ヤラピンは、腸のぜん動運動を促し、便を柔らかくする働きがあります。食物繊維との相乗効果で、便秘改善に大きな力を発揮してくれます。
牛乳に含まれる乳糖にも便秘解消効果がありますから【サツマイモ+牛乳(水分)】というおやつは最強かもしれません。
ほかにもサツマイモにはβ-カロテンやビタミンCやポリフェノールなど美容健康成分がたくさん含まれています。栄養成分は皮に多く含まれているので、ぜひ皮ごといただきましょう。
サツマイモというと“おなら”を気にされる方がいるかもしれませんが、サツマイモを消化する時に発生するガスは炭酸ガスで、臭さの素になるアンモニアはほとんど含まれていませんよ。
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便秘解消には食物繊維!でも生活習慣や環境もとっても大事
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サツマイモは、いろいろ腸に効く食材
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サツマイモ・リンゴ ・ゴボウも美味しく皮ごと