審査員からの応援メッセージ(真鍋 和子)

作品制作に取り組むみなさんへ

作文・図画作品の制作に取り組む皆さんへ向けた、審査員のみなさんからの応援メッセージを紹介します。

作文部門真鍋 和子(まなべ・かずこ)

(一社)日本児童文学者協会評議員、日本大学芸術学部講師
1947年(昭和22年)徳島県生まれ。図書館司書、中・高校教員を経て児童文学作家に。現在も大学講師を務めながら、執筆活動を続けている。「かまくらの尼将軍」「春日の局」などの歴史物語、「ガンジー」「日野富子」「卑弥呼」などの伝記、また沖縄戦に取材した「ぬちどぅたから」「シマが基地になった日」「いのちの重さ伝えたい」など作品多数。自然との共生をテーマにした「リュウキュウアユ、かえってきてね」(絵本)などもある。

自分の思いを自分の言葉で文章に
これまで審査にあたっていただいて、気付いたこと、感じたことはありますか?

4年にわたり作文の審査をしてまず感じることは、子どもたちは日々の暮らしの中で大人の背中・やり方を実によく見て、丁寧に文章にまとめている、ということです。鋭い感性を全身に張り巡らしています。子どもたちの作文によって大人自身も教えられることがありますので、私たち大人は背中を見られていることを自覚する必要があると思います。読み手に様々な深い思いを伝えることができる“作文の力”の大きさを改めて実感しています。「ごはんとお米」は命を育むすべての基本であり、家族のつながり、絆も生み出しています。こうした題材のコンクールに審査員として参加できることをとてもありがたいと思っています。

最近の子どもたちの作品について何か特徴がありますか?

最近の作文はレベルが高いですね。子どもたちの目線で見つめ、行間からは一生懸命さが伝わってきます。作品には時代状況もよく表れています。子どもは大人たちの気持ち、家族の思い、日々の暮らしを実によく観察しているな、と感心させられます。家族の温かさや命を育む農業の営みの大切さ、いつの時代にも変わらぬ普遍的価値が子どもたちの作品を通して表現されています。

先生が文章を書くことに興味や関心をもったきっかけは何でしょうか?

子どものころ、母が樋口一葉などの作品をドラマのように話してくれました。その影響をうけ、私は小さいころからよく本を読んでいました。母は作文でいい成績をとると喜んでくれましたので、それが励みになり、子ども心に「将来は文章を書く仕事をしたいなあ」と思うようになりました。

子ども時代に作文を書くことで得られるもの、喜びは何だとお考えですか?

小・中学生時代に作文や絵を描くことは、見つめる(観察する)力、考える力、まとめる力を大いに養うことにつながる、意義深いことだと常々思っています。これらの力はすべての基本です。そして完成させた時の達成感を体験することもとても重要です。1つの達成感は次のステップに必ずつながります。子どもたちに「大変だったけど、仕上げてよかった」という思いを実感してほしい。ですから私たち大人は「よく頑張ったね!」「すごい!」と言葉をかけてあげたいものです。

子どもたちはこれから夏休みに入って作品制作に取り組みますが、制作にあたって子どもたちに期待することは何でしょうか。

自分の思い、感じたことを大切にして、自分の言葉で作文を書いてほしいと思います。
素直なままの気持ちを忘れないで取り組んでくださいね。よい文章を書くためには、よく観察すること、よく考えること、そして、しっかりまとめることが大切です。

よい作文を書くために心がけることをあげてください。

自分の思いを自分の言葉で語ることが大事です。誇張したり受け狙いをした文章は見抜かれてしまいます。まれに背伸びして大人の言葉で書いてある作品が見られるのは残念です。指導する先生方については、子どもの力を引き出すことをお願いしたいですね。子どもが胸のなかに秘めている思いを、どう言葉に表わそうとしているのか、苦闘しているときのサポートは重要だと思います。
また、本を読んだりいろんな体験をすることも重要です。農作業を自ら体験したり、農家の人に感謝の気持ちを表すようなことを作文にしたものは、読む人に感動を与えます。農作業だけでなく、ごはんを炊いたり料理を作ることなどの体験も「ごはん・お米」の材料になります。ぜひいろんな体験をしてください。

最後に全国の子どもたちへの “応援メッセージ”をお願いいたします。

皆さんの作文をワクワクしながら楽しみに待っています。途中で「大変だな」と思っても、最後まであきらめないで、力を出し切って作品に仕上げてください。今年もたくさんの作品が寄せられることを期待しています。

(平成25年6月取材)

他の審査員からの応援メッセージを見る

審査員からの応援メッセージ(50音順)

審査会委員長
中村 靖彦

東京農業大学客員教授、農政ジャーナリスト

作文部門
設楽 敬一

(公社)全国学校図書館協議会理事長

図画部門
岡村 泰成

美術家集団「Moss Spirits」代表、日本美術家連盟会員

作文部門
竹村 和子

(公社)全国学校図書館協議会常務理事 研究部長

図画部門
小柳津 須看枝

日本美術家連盟会員、元サロン・ド・トウキョー運営委員

作文部門
堀米 薫

児童文学作家
(一社)日本児童文芸家協会理事

図画部門
中馬 誠二

季風会同人

作文部門
真鍋 和子

(一社)日本児童文学者協会評議員、日本大学芸術学部講師

図画部門
西巻 茅子

絵本作家
(一社)日本児童出版美術家連盟

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