突然血圧が上がるショック妊娠末期は特に注意!
妊娠20週以降 、分娩12週までに高血圧がみられる場合、または、高血圧にたんぱく尿を伴う場合に「妊娠高血圧症候群」と診断されます。
妊娠高血圧症候群は重症になると母子共に命に危険が及ぶ恐ろしい病気なのですが、自覚症状に乏しいので気づきにくいという難点があります。診断の基準は、血圧測定と尿検査になります。
実は、現在のところ、はっきりとした原因は分かっていません。従って、効果のある予防法も見つかっていません。しかし、血圧を上げない努力をすることはできます。
どんな人でも、太りすぎ、塩分のとりすぎは、高血圧を招きます。また、過労や強いストレスも要因になります。バランスのよい食事と、規則正しい生活習慣が何よりの予防法です。
Q.料理が苦手で細かい食事管理ができません
食べたい気持ちをなだめる “かさまし”と“ごまかし”
初産、高齢、多胎妊娠、腎炎や糖尿病などの持病がある人はリスクが高まります。
リスク因子を持っている人は、食事管理に加え、生活面でも決して無理をしないよう十分注意してください。
妊娠高血圧症候群を予防するために大切なこと
プレママにとって、体重管理よりも塩分調節の方が、慣れていない分、難しいかもしれません。
人間の体には、塩分を一定の濃度に保とうとする働きがあり、体内の塩分量が多くなると、水分を補って濃度を薄めようとします。体内の水分量が増えると、むくみや高血圧を引き起こす原因になります。
プレママの1日の食塩の目標量は7g未満です。食塩は調味料 だけでなく、麺やパン、加工食品など意識しづらい部分にも塩分が入っているので、どうしても摂取過剰になりがちです。
カリウム豊富な食材が塩分調節を手伝ってくれる
高血圧の予防には、ナトリウムとカリウムのバランスが重要であることがわかっています。
カリウム豊富な食材をたくさん摂ることが、高血圧予防につながります。
カリウムは、ほうれん草・春菊などの葉野菜や、カボチャなどの緑黄色野菜、キュウリやナスなどの淡色野菜と、幅広く様々な食品に含まれていますが、特に、サトイモ・ヤマノイモ・サツマイモ・ジャガイモなどのイモ類に豊富です。
切り干し大根・納豆・ひじきなどからも効率よくカリウムを摂取できます。
カリウムは水溶性で、ゆでるとカリウムが流出します。しかし、溶け出たカリウムも、素材中のカリウムと同じような効果を発揮するので、スープや鍋物にして汁ごといただくのがおすすめです。具沢山の芋煮汁やほうとう汁などは体重管理にもぴったりなメニューです。
ただ、汁をいただく際は、素材の味を生かして薄味にするよう心がけてください。また、果物はも生で食べることも多いため、カリウム補給には適しています。
他にも、あまり知られていませんが、血圧を下げる効果のある栄養素に、カルシウムもありますので、積極的に摂取しましょう。
妊娠高血圧症候群はその後の生活習慣病と関係が深いと言われています。妊娠高血圧症候群にかかった人は、将来、高血圧、脳血管障害、糖尿病、腎疾患などになる可能性が高くなります。妊娠中に培った食生活のノウハウを生かして、生涯健康を維持しましょう。
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妊娠高血圧症候群は怖い病気のわりに自覚症状がない
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体重と塩分を管理して血圧を標準値に保とう
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塩分の排出を促すカリウム豊富なイモ類を食べよう!