芽出しから植え替えまで&土作りと芽出しのポイント
バケツ稲づくり相談室では、日本農業新聞ビルの屋上で実際に稲を栽培しています。
その栽培の様子をご紹介していきますので、一緒にお付き合いくださいね。
バケツ稲づくりセットの稲を育ててみましょう
では、最初は芽出しからスタートします。
シャーレや浅い容器に種もみを入れます。
そして、種もみが浸る程度に水を入れて芽出し準備完了です。
種もみは水の中の酸素を吸収していきますので、新鮮な酸素を吸収できるように毎日新しい水に入れ替えてくださいね。
一般的に、水に浸してから積算温度100℃(毎日の平均気温を足して100℃になった時点)になると芽が出ると言われています。
ここ数年の4月、5月は気温が低い日が多いので、この時期の芽出しには日数が必要になります。稲は積算温度で成長しますので、これから育てる場合は気温が高い日が多い分成長が早く進みます。
ただ、稲は陽が短くなると穂をつくろうとし始めます。
そのため陽が短くなる7月からの栽培は分げつの終結が早まり、4月、5月に芽出しをする場合と比べると、茎数が少なくなる傾向がありますが、収穫はできますのでご安心ください。
まれに、芽出しの途中で種もみの周りにもやもやした白い綿の様なものが発生することがあります。
これは種もみを水につけた事で発生したカビと考えられますが、種もみ自体に菌を抑える力がありますので、毎日水を変える時に洗い流しておくと、次第になくなっていきます。
自然に備わった種もみの生命力の強さって凄いですね。
良い種もみの 選び方のご紹介 |
良い種もみを選ぶ方法に「塩水選(えんすいせん)」があります。 塩水に種もみを入れて、沈んだものが「よい種もみ」で、浮いてしまうものは「悪い種もみ」です。 よい種もみは、中身が充実して重いため、塩水でも沈みますが、悪い種もみは中身の実りが少ないので軽く、浮いてきます。 良い種もみと悪い種もみを比較実験で育ててみてもいいですね。 |
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簡単な 塩水選の方法 |
用意するもの:水200cc 塩20g ガラスのコップ 生卵 コップに水と塩を入れて塩水をつくり、その中に生卵を入れて濃度を確認してみます。 生卵が浮くくらいが適当な濃度になります。その中に種もみを入れて選別します。 |
短期間で 発芽させる方法 |
低温が続いて芽が出ないときの対処として、30℃程度のお湯で芽出しを行うと気温が低い日が続いていても2、3日で芽が出ます。 学校の授業などで日程が決まっている場合に応用してください。 |
種まきのポイント
土は、バケツの底まで泥の状態になるように水を入れて混ぜます。この時に、肥料も一緒に混ぜ込むと、肥料が浮いて水に流されるのを防ぐことができます。
混ぜた後は、表面のでこぼこしたくぼみに水たまりが出来る程度の水の量を調整します。そこへ種もみを約6㎜の深さに等間かくで植えます。深く植え過ぎると出芽しません(芽が土の上に出てくる事を出芽といいます)ので注意してください。
また、根付いていない状態で水を溜めると種もみや苗が浮いてくることがあります。苗が伸びて根付くまで(5cm位)、その後の水管理は毎日同じ程度を保ってください。
根付いた後は、苗の身長の1/3までは水を溜めても大丈夫です。また、苗が5cm程度になるまではスズメに食べられる事がありますので、バケツにザルや網をかぶせてスズメから種もみを守ってください。