脱穀(だっこく)、もみすり、精米(せいまい)の方法
脱穀をしましょう
今回は、相談室の収獲画像でご紹介しますね。まずは、刈り取ってから、10日間干した稲を並べてみました。身長は、コシヒカリが一番高くて、北海道の品種のほしのゆめ(今年はななつぼし)が一番低いですね。北海道で育てるために開発された品種の特徴は、短い夏でもお米がとれるよう工夫されています。
例えば、寒くなる前に穂を付けられるよう早く育ち、また1本の株にたくさんの穂をつけても倒れないように背が高くならない特徴があります。そのため、他の地方の品種と一緒に育てると、穂を出すのは一番のりです。コシヒカリなどに比べて背丈は低く成長します。収穫した稲を比べてみると違いが良く分かりますね。
つぎに、脱穀をします。脱穀の方法を3パターンご紹介します。
1.牛乳パックを 使った方法 |
片側だけ口を開けて飲み終わり、乾かした牛乳パックの口の中に稲のもみの部分を入れて口を閉じ、手で押さえます。 もう片方の手で稲の茎を引っ張ると、種もみが稲からはがれて牛乳パックの底に落ちます。 この方法だと、種もみが牛乳パックの中に上手に落ちるので、こぼれる心配はあまりありません。 |
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2.割りばしを 使った方法 |
割りばしの、割れている側を少し広げて、稲の穂の根元の部分を、開いたすき間に差し込みます。 その後、広げた割りばしを閉じます。 そのまま茎を引っ張ると、もみが外れて下に落ちます。 |
3.ちゃわんを 使った方法 |
稲を横にして、穂の根元にちゃわんを下向きにかぶせます。 そこから、穂の先端に向けてちゃわんを押しつけながら移動させていき、もみを外します。 |
もみすりをして玄米にしましょう~♪
脱穀が終わった後は、もみすりですね。
手作業のもみすりは手間がかかり、ちょっと根気がいりますので、頑張ってくださいね。
脱穀の方法は3パターンをご紹介しましたが、もみすりでは一つの方法と、補足として小さなもみすり器を写真でご紹介しますね。
すり鉢を 使った方法 |
すり鉢と軟式野球ボールを用意します。 1つまみ程度をすり鉢に入れて、軟式野球ボールで下の方から少しずつ上に回しながら、すり上げていきます。 これを何回か繰り返すと、米からもみが外れていきます。 |
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この時に、多く入れ過ぎるともみが、すり鉢に接する面が少なくなって、外れにくくなりますので、1つまみ毎にていねいにすり上げて行ってくださいね。
バケツ稲づくり相談室には、もみすりについてのご質問をよく頂きますので、参考までにご紹介します。
もみすりのもっと効率のよい方法はないのですか?
農家やJAなどでは、たくさんの量を大きなもみすり機にかけますが、バケツ稲づくりでの収獲量はバケツ1個(1株分)で、ごはんぢゃわんの1/3ほどの量なので、大きなもみすり機にかけるほどではありません。手動の小型のもみすり器がインターネットで市販されています。
インターネットで調べると写真よりもっとちっちゃなかわいらしいもみすり機もあるそうですよ!
手で行う作業としては、すり鉢ですり上げる方法が一番適しています。
軟式野球ボールを購入しようと思いましたが、近くで販売されていません。代わりになるものはないですか?
軟式野球ボールは、すり鉢ですり上げる場合の力のかかり具合が丁度よいので、お勧めしています。手に入らない場合は、すりこぎ棒でも代用できますが、力が強くなると米が割れる場合がありますので、その点を注意すれば、すりこぎ棒でも大丈夫です。
玄米を精米しましょう~♪
最後は精米です。もみすりは手間がかかりましたが、精米は時間がかかります。毎日3時間を1週間かけても、市販されているお米の様に真っ白にはなりません。
すりこぎ棒が丁度入る程度の口の大きさのビンの中に、もみすりが終わった玄米を入れて、後は、すりこぎ棒で、上下につきます。この作業を時間をかけて行ってください。だんだん、糠(ぬか)がとれて、ビンの底にたまってきます。ある程度白くなったところで、ごはんを炊いて頂きます。量が少ない場合は、市販のお米と混ぜて炊いて食べてくださいね。真っ白いごはんに、種もみから育てたお米の色は少し茶色なので、すぐに自分で育てたお米を見つけられます。
相談室には、
「あっ、僕の作ったお米だ!」「私のお米!」など、自分達で作ったお米を、色の違いで見つけた時の感動の声を頂きましたよ。
バケツ稲づくりを体験して、お米を育てて食べることの大変さを知って、ご飯を残さず食べるようになったとか、農家の人の苦労を知って、「ありがとう」の気持ちが芽生えました。などの声も頂きました。
手間がかかっても、最後までやり遂げるって素敵な事ですね。