バケツ稲づくりのご紹介 ~バケツ稲から広がる世界~

バケツ稲づくりは、日本の主食の稲の成長を「種もみから育てて、実った稲を収穫して実際にごはんを炊いて食べる」までを体験しながら観察できるコンパクトな田んぼの稲作です。

乾かしている稲→脱穀前の稲を並べてみました。左からコシヒカリ、日本晴、ほしのゆめ、まっしぐら、あきたこまち、あきほなみ、朝紫(黒米)

10~15ℓのバケツ1個分で育てる稲は、田んぼの1株分で苗3~5本をひとまとめにして、バケツの真ん中に植えて育てます。1株分でも成長過程でそれぞれの1本の苗から茎が分かれてどんどん増えていきますので、3~5本で育つ米の量ではなく、20本くらいに増やした分量で収穫します。ごはんにして炊くとご飯茶わんに1/3ほどになり、3つのバケツ稲でご飯茶わん1杯分くらいになります。

自分で育てることで、今まであまり見る機会のない稲の花や穂を見たり、脱穀、もみすりをして中から出てきた米を見て、自分で育てた米に感動したりと、成長過程の観察だけでなく感動も味わえ、更には手間をかけて育てる課程を体験することで、農家の人々の苦労を肌で感じたり、農業の仕組みを知る事ができます。

バケツ稲づくりを体験することから、多くの知られざる世界の研究へと発展の可能性が広がります。

田んぼの中の生き物を知ることから、生物多様性の研究や、土を何種類か使用しての比較実験などから土壌の研究、収穫した米を使った調理の研究、稲づくりに因んだ俳句づくり、昔の農業の歴史や農機具の研究、成長過程を記録してグラフ化する、研究した結果を構成してまとめあげる、また結果を説明するための文章作成、全ての行程を絵や壁新聞などで表現する、地域との関わりを持つなど、研究テーマは社会、理科、国語、図画工作、生活、家庭他、全ての教科と連動しての学びがあり、授業と大きく関わることができますので総合学習の教材としても最適です。

文:バケツ稲づくり相談員 小栗 千歌枝

バケツ稲づくりの基本の他の記事を読む