お子さんを持つ親なら誰もが「頭のいい子になってほしい」と願うことでしょう。
かしこい子への第一歩は、「よい脳=活発に動く脳」をつくること(育脳)です。近年、「よい脳」すなわち「活発に動く脳」は、
ずばり食べたもの(食事)でつくられていることがさまざまな研究結果によって明らかになっています。
しかも、脳の成長時期は大変早く訪れます。脳の神経は赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいるとき、
だいだい妊娠2ヶ月目頃からつくられ始めます。そして、6歳で大人の脳の90%にまで成長し、12歳にほぼ完成します。
つまり、将来かしこい人になるかどうかは、脳の成長期である乳幼児期(胎児期も含む)から
小学生までの間の脳の発達にかかっているのです。脳を良くするも、悪くするもすべては食事。
この時期の食事の内容はとても大事なのです。
「育脳料理」(和食バージョン)コーディネイト例を紹介します。
材料(6人分)ふりかけは作りやすい分量
米 | 2合 |
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胚芽米(金のいぶき) | 1合 |
うずら卵の水煮 | 1袋(6〜8個) |
ぽりぽり小魚(無塩) | 15g |
さくらえび(無着色) | 5g |
かつお節 | 5g |
白ごま | 大さじ1 |
青のり | 小さじ2 |
※今回は、胚芽米を白米に混ぜて使っていますので、水も普通の水加減で炊飯しています。
胚芽米だけで炊く場合は少し水を多めにして炊飯してください。
※「金のいぶき」は秋田県JA秋田おばこで販売している胚芽米です。
- お米は洗い30分以上浸水し、普通に炊く。うずらを加えて蒸らす。
- をすべて合わせてすり鉢でするかフードプロセッサーにかける。
- ごはんを盛り、ふりかけをかける。
材料(2人分)
熱湯 | 300ml |
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かつお節 | 5g |
さつま芋 | 1/2本(1cm厚さの輪切り又はいちょう切り) |
玉ねぎ | 1/4個(スライス) |
味噌 | 大さじ1 |
豆乳(無調整) | 大さじ1 |
- かつお節はお茶パックに入れておく。
- 鍋に分量のお湯を沸かし、かつお節を入れてだしが出たら、さつま芋と玉ねぎを加え、蓋をして、さつま芋がやわらかくなるまで煮る。
- 火を止め、合わせておいたを加え混ぜる。
★市販のだしパック(無塩)を使用しても可。
★味噌に豆乳をプラスすることで、味噌の使用量が少なくなり、減塩につながります。豆乳の他、ヨーグルト、牛乳でも可。
材料(2人分)ドレッシングは作りやすい分量
ししゃも(オス) | 大2尾 |
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オリーブ油 | 少量 |
パプリカ(赤・黄) | 各1/8固(5mm角) |
ブロッコリースプラウト | 適量(食べやすく刻む) |
レモン | 1/4個(くし切り) |
完熟トマト | 1個(ヘタをのぞき1/4にカットして冷凍) |
すし酢 | 大さじ5 |
アマニ油 | 大さじ5 |
- ししゃもはオリーブ油で表面を焼き、一緒にパプリカを炒める。
- ボウルにすし酢とアマニ油を合わせ、すりおろしたトマトを加え混ぜる。(※冷蔵庫保存1週間)
- お皿にスプラウトとパプリカ、ししゃもを盛りレモンを添える。
- 食べる直前にドレッシングをかける。
※DHAは脳の発達に欠かせない成分。アマニ油は体内でDHAに変換されるため、
魚嫌いなお子さまや毎日魚を摂ることができないときに、ぜひ取り入れてみてください。
材料(2人分)
牛乳 | 200ml |
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枝豆 | 30g(薄皮を除く) |
片栗粉 | 大さじ3 |
※枝豆30gは「さや付き」の量です。目安は12さやです。
- 牛乳と枝豆はミキサーにかける。
- 小鍋に牛乳、枝豆、片栗粉を合わせて片栗粉をしっかり溶いておく。
- 底を混ぜながら中火にかけ、とろみがついたら、火を弱めて5分ほど全体に弾力が出てつやが出るまでしっかり練る。
- バットに流し、表面に水をはって冷やし固める。
★大人分にはおろし生姜を添えて、水割りしょうゆ(水・しょうゆ各小さじ1、砂糖小さじ1/2を合わせたもの)をかける。
材料(2人分)
白花豆の甘煮(無添加のもの) | 50g |
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みかん果汁 | 小1/2個分 |
フォローアップミルク | スティック1/2本分(7g) |
- ポリ袋に煮豆を入れてみかんの果汁を絞る。ここに粉ミルクを合わせ、手でペースト状にもみつぶす。
★薄くスライスしたいちごを添えてもGood。
★赤ちゃん用のおせんべいにつけても!
★煮豆はつぶす時に、薄皮を箸でつまんで、取り出しておくとよいでしよう!!
栄養素はお互いの働きをサポートしあっています。食べ合わせを知ることで、より育脳の効果が期待できます。
DHA・EPA×ビタミンE
さばやいわし等の青魚に多く含まれるDHA・EPAは記憶力アップや頭の回転を速くするのに効果的な栄養素です。ただ、毎日、青魚を調理するのは大変なので、魚の缶詰やつみれ、魚肉ソーセージを上手に活用してください。ただし、魚の脂は酸化しやすいという特性もあるので、かぼちゃやブロッコリー等の緑黄色野菜やナッツ類、大豆に含まれるビタミンEと一緒に摂取することで、酸化を防ぐことができます。
ビタミンB12×クエン酸
レバー、チーズ、貝類、青魚、海藻に含まれるビタミンB12は集中力を高める働きを持つ栄養素です。柑橘類をはじめとするクエン酸豊富な果物と一緒に摂ることで、その効果がより高まります。
レシチン×ビタミンC
豆製品(蒸し豆・納豆・豆腐など)や卵(卵黄)に多く含まれるレシチンは、記憶力をアップする効果を持つ栄養素です。野菜や果物に含まれるビタミンCと一緒に摂ることで、その吸収がよくなります。
ビタミンB群×亜鉛×色素成分
豚肉、豆、乳製品に多く含まれるビタミンB群と、貝類やチーズに多く含まれる亜鉛は脳を活発に働かせるのに欠かせない栄養素です。トマト(リコピン)、鮭(アスタキサンチン)、にんじん(β-カロチン)などの色素成分と一緒に摂取することで、さらに脳全体を活性化することができます。
炭水化物×カリウム・食物繊維
エネルギー源となる炭水化物は、玄米、胚芽米、全粒粉のパンなど精製度の低い底GI食品を選ぶことで、食後の血糖値の急激な上昇を抑え、エネルギーを脳に少しずつ安定供給することができます。白米や白パンを食べる際には、野菜やきのこ、海藻類、乳製品、卵、大豆食品などカリウムや食物繊維を多く含む食品と一緒に摂取することで、食後の血糖値の上昇を抑えることができます。
脳に必要な主な栄養素は6つ。ブドウ糖、アミノ酸、必須脂肪酸、リン脂質、ビタミン、
ミネラル。食材一覧を参考に、毎日の食事に加えていきましょう!
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鮭
DHA・EPA・カルシウム・ビタミンD・ビタミンB6
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青魚
DHA・EPA・ビタミンB12
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レバー
ビタミンA・ビタミンB12・鉄・葉酸・クロム
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鶏肉
たんぱく質・ビタミンA・ビタミンB2・鉄
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生ハム
ビタミンB1・たんぱく質
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豚肉
ビタミンB1・たんぱく質・鉄
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しじみ
カルシウム・鉄・ビタミンB2・ビタミンB12・亜鉛
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あさり
ビタミンB12・鉄・亜鉛・マグネシウム
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たらこ
ビタミンB12・ビタミンE・パントテン酸
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ちりめんじゃこ
カルシウム・ビタミンB12・リン脂質
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ししゃも
カルシウム・ビタミンA・ビタミンB12
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アマニ油
α-リノレン酸
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オリーブ油
オレイン酸・ビタミンE
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練乳
カルシウム・リン脂質
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チーズ
ビタミンB2・アミノ酸・カルシウム
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ヨーグルト
カルシウム・リン脂質・パントテン酸・ビタミンB2
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牛乳
カルシウム・ビタミンB2・アミノ酸2
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きび砂糖
ミネラル
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甘酒
ビタミンB1・葉酸・アミノ酸・ブドウ糖
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香辛料
カプサイシンなど
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卵
アミノ酸・亜鉛・カルシウム・リン脂質・鉄・ビタミンB群
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ごま
カルシウム・鉄・ビタミンB1
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ナッツ
必須脂肪酸・カルシウム・リン脂質・亜鉛・ビタミンE
- 料理家・管理栄養士
料理教室の講師やコーディネート、メニュー開発、栄養コラム執筆、テレビ出演等、幅広く活動。
著作に、『頭の良い子に育つ育脳レシピ』(日東書院発行)『子どもの脳は、「朝ごはん」で決まる!』『「健康おやつ」で子どもに免疫力を育む』(小学館)がある。